2021年5月8日(土)

境一家殺傷事件 なぜ茨城で犯行? 急展開も見えぬ接点 県警、動機の解明焦点

境一家殺傷事件の容疑者逮捕を記者会見で発表する藤田誠一境署長と原田哲也刑事部長、綿引英治捜査1課長(左から)=境署
境一家殺傷事件の容疑者逮捕を記者会見で発表する藤田誠一境署長と原田哲也刑事部長、綿引英治捜査1課長(左から)=境署

茨城県境町で小林光則さん=当時(48)=と妻の美和さん=当時(50)=の一家4人が殺傷された事件で、林に囲まれた住宅で一家を襲ったとして浮上したのは、境署捜査本部が「現時点で接点はない」とした埼玉県の26歳の男だった。捜査関係者は「当初は全く捜査線上にいなかった人物」と明かす。事件は急展開したものの、なぜ茨城で犯行に及んだのかをはじめ、容疑者の認否や凶器の所在など、捜査本部の記者会見で情報は伏せられたままだった。

犯人は、夫婦の遺体の刺し傷などから強い殺意があったとみられ、室内に物色した形跡がなく、県警は恨みによる犯行を視野に入れていた。しかし、家族に関わる目立ったトラブルはなく、県警は物取りの線にも捜査の網を広げていた。

殺人容疑で逮捕された岡庭由征容疑者(26)の存在は、過去に事件を起こしたことのある人物などと照合する中で浮上。県警は埼玉県警と合同で昨年11月、容疑者宅を家宅捜索し、指定量を超えた硫黄などが見つかり、逮捕していた。捜索では刃物、化学薬品、衣類、スマートフォンなど約600点を押収。鑑定、解析を進め、関係者らへの聴取も踏まえ、小林さん夫婦に対する殺害容疑での逮捕に踏み切った。

この捜索時から殺人事件への関与を疑っていたかの問いに捜査幹部は「容疑者の一人だった」と語るにとどめ、容疑が固まった経緯や決め手となった証拠などは「差し控える」との回答を繰り返した。容疑者の認否は捜査上の都合から明らかにしなかったが、黙秘はしていないという。

岡庭容疑者の自宅がある埼玉県三郷市と小林さんの自宅までは約40キロの距離がある。会見で捜査幹部は、岡庭容疑者が運転免許を持っていなかったと明らかにしたが、現場までどう移動したかは「今後明らかにしたい」と述べるにとどめた。

県警は今月6日までに、延べ1万84人の捜査員を投入。307件の情報が寄せられたものの、解決につながる有力な内容はなかったと説明した。

綿引英治捜査1課長は「動機はこれから解明していく」と強調した。

小林光則さん一家が殺傷された現場に続く道=7日午後、境町若林
小林光則さん一家が殺傷された現場に続く道=7日午後、境町若林


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