量研機構 マイクロ波源、8機完成 ITER計画、日本担当分 核融合実験開始へ前進

完成したジャイロトロンの1機(量子科学技術研究開発機構提供)
完成したジャイロトロンの1機(量子科学技術研究開発機構提供)
太陽で起きる核融合を地上で実現し、膨大なエネルギーの獲得を目指す日米欧などによる国際熱核融合実験炉(ITER、フランスに建設中)計画で、量子科学技術研究開発機構(量研機構、茨城県那珂市)とキヤノン電子管デバイス(栃木県大田原市)は28日、高出力マイクロ波源「ジャイロトロン」24機のうち、日本が担当する全8機を完成させたと発表した。初プラズマ(運転開始)に使われる4機が含まれ、いずれも性能確認検査に合格。核融合実験に向け大きく前進した。

核融合は、炉内で燃料を1億度以上の超高温プラズマ状態にさせる必要があり、ジャイロトロンは主要な機器の一つ。高出力のマイクロ波を発生させる大型の電子管で、プラズマ点火や効率よく核融合反応が起こる温度への加熱、プラズマ中で発生した乱れの抑制などに使用される。

24機の製作はロシア、欧州と分担しており、日本が先駆けて製作を終えた。日本のジャイロトロンは1機当たり高さ約3メートル、重量約800キロ。初プラズマには8機必要で、日本とロシアが4機ずつ分担した。ロシアでも4機を完成させているため数が整い、量研機構は「初プラズマに道筋がついた」としている。

ITERは、核融合を発電に利用できるか調べる実験施設で、海水から燃料を作れるため、ほぼ無尽蔵にエネルギーを取り出せる。核分裂させる原子力発電と比べて安全対策がしやすく、事故時にも暴走しないという。発電時に二酸化炭素は発生せず、生じる放射性廃棄物は低レベルのみ。

組み立ては73%まで進んでおり、2025年に運転開始、35年に核融合運転の開始を予定している。

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース