稲敷の山王原遺跡に竪穴住居 市職員も驚き 発掘調査で22棟発見、焼け跡も

発掘調査員(左)が手を広げる赤茶色の場所には、古墳時代に使われた炉があったとされる=稲敷市上君山
発掘調査員(左)が手を広げる赤茶色の場所には、古墳時代に使われた炉があったとされる=稲敷市上君山
茨城県稲敷市下君山と松山の2地区にまたがる稲敷工業団地建設に伴う5遺跡の発掘調査で、市は28日までに、両地区に隣接する同市上君山の山王原遺跡から22棟の竪穴住居が見つかったと発表した。そのほとんどで火災などによるとみられる住居の焼け跡が確認された。市担当者は「荒れ果てた山で、遺跡があると思われてこなかった場所」と驚きの声を上げている。

同工業団地の総開発面積は約32.5ヘクタール。分譲面積は20.3ヘクタールで、このうち16.4ヘクタールが今年3月までに売却された。建設予定地では、事前の調査で山王原、山王原南、大日峯(だいにちやま)、高ノ山、長者山の計5遺跡と長者山古墳群が見つかっていた。

長者山遺跡は、奈良-平安時代の高速道路「東海道駅路」の駅家とみられる施設の発見を受け、開発を取りやめて現状保存することを決めた。市は残りの遺跡・古墳群の計約2万6400平方メートルを対象に、12月まで発掘調査を行う。

発掘中の山王原遺跡からは、古墳時代前期(3世紀後半〜4世紀)の竪穴住居22棟のほか、土師(はじ)器片や煮炊き用の甕(かめ)を支える3脚1セットの烏帽子(えぼし)形の支脚などが見つかった。住居の焼失跡について市担当者は「集落が火災に遭ったか、移転する際に儀礼の一環で焼き払った可能性がある」と話している。

このほか、高ノ山遺跡では試掘で弥生時代の集落が確認され、山王原南遺跡では旧石器時代のナイフ形石器が良好な状態で見つかった。両遺跡とも、今後、本格的な調査を実施する考えだ。

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