車ごと川に転落、水没車の男性救助 茨城・阿見 牛久警察署員ら川に飛び込む

浮輪や警杖を手に、救助当時を振り返る(左から)横松貢警部補、松島拓哉警部補、上集武師巡査長=牛久警察署
浮輪や警杖を手に、救助当時を振り返る(左から)横松貢警部補、松島拓哉警部補、上集武師巡査長=牛久警察署
茨城県阿見町阿見の花室川に架かる精進橋付近で5月20日夜、軽乗用車が川に転落する事故があり、駆け付けた牛久警察署員4人が運転手の男性を助け出した。車は刻一刻と沈み、数分救助が遅れれば男性の命が危なかった。署員は当時を振り返り「普段の訓練や連携が生きた」と男性を無事に救助できたことを喜び合った。

救助に当たったのはいずれも同署地域課の横松貢警部補(55)、松島拓哉警部補(37)、上集武師巡査長(29)、黒木航平巡査(29)。当時は2人ずつ別の車で阿見町内を巡回していた。

事故は5月20日午後8時20分ごろに発生した。当時は小雨が降り、阿見町阿見の国道125号で車を運転していた美浦村の無職、70代男性がカーブで操作を誤り、柵のない橋の脇を抜け、川に突っ込んだ。

男性はすぐ110番。「事故なんです。水が胸まで来ている」。通報は県警通信指令課の金田智行警部補(38)が受け取った。金田さんは窓を開けるよう男性に指示したが、水圧で開けられず、男性は「水が肩まで。首まで来ている」と危機的状況を伝えた。

浸水が天井に達すると、男性は「もう駄目だ」と弱々しい声に。金田さんは「絶対助けます。急いで警察が向かってます」と励ました。

この間、通報7分後に横松、黒木さんのパトカーが到着。さらに2分後には松島、上集さんが着いた。別に通報した男性の誘導で車を見つけたが、川の真ん中で徐々に沈み、屋根が見えるだけだった。

本来なら救助装備が充実した救急隊に任せる場面だが、辺りに姿はなかった。

4人は「川に入らなきゃ駄目だ」と即断。松島、上集、黒木さんの3人は装備を外し、下着姿で浮輪を持って川に飛び込み、横松さんは浮輪のひもを手に引き上げる役を担った。

3人は岸から約5メートル泳いで車に着くと、黒木さんは警杖(けいじょう)で窓ガラスを壊した。男性は濁った水中に沈んで見えなくなっていたが、3人は手探りで見つけだした。

「大丈夫ですか」「引っ張りますよ」。3人は声を掛けながら男性を車内から引き出し、岸まで引き上げて救急隊に引き渡した。男性にけがはなかった。

後日、男性は「励ましてくれた人、助けてくれた人、皆に感謝しかない」と話した。下河辺克巳署長は「男性が無事で何より。4人は引き続き、職務に頑張ってほしい」とたたえた。

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