東海第2、30キロ圏の医療機関 避難計画7割未策定 30施設止まり 患者移送難しく

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日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村白方)の過酷事故に備えた避難計画で、県は15日、策定が必要な同原発から半径30キロ圏内の医療機関のうち7割強で計画が未策定にあることを明らかにした。患者の移送手段確保や、療養環境提供に向けた避難先との調整が難しいことが主な要因。新型コロナウイルス感染拡大への対応に追われ、計画策定に対する進展も見通せない現状も浮き彫りとなった。

同日の県議会予算特別委員会で、江尻加那氏(共産)の質問に大井川和彦知事が答えた。

災害時の防災対策などをまとめた「県地域防災計画」では、同原発から半径30キロ圏内の病床機能を備えた医療機関に対し、避難計画の策定を求めている。県厚生総務課によると、同圏内の医療機関は119施設(5月1日現在)で、このうち計画を策定しているのは30施設にとどまるという。

同圏内の県立病院で既に策定を終えているのは、県立中央病院(笠間市)と県立こころの医療センター(同市)の2施設。一方、県立こども病院(水戸市)は、新生児集中治療室(NICU)の患者など移送手段確保が難しく、現時点で策定に至っていない。避難先となる医療機関との間でも、適切な療養環境提供に向けた調整が課題となっている。

現状について大井川知事は「(民間も含め)7割強の医療機関で未策定」と指摘。県立こども病院については「移送時の放射線による身体への影響を踏まえるとともに、他県の小児病院との協力体制構築を図るなど策定に向けた検討に入りたい」とした。

また、ほかの未策定の医療機関に対しても、課題の聞き取りや勉強会の開催など、策定に向けた支援を進める。その半面、「新型コロナへの対応に追われ、多くの医療機関で策定できる状況には至っていない」とし、厳しい現状にある医療現場に配慮する姿勢も示した。

移動手段の確保を目指しては、バスや福祉車両など交通事業者との協議を進めていく考えも明らかにした。本年度中には円滑な車両供給体制を実現するための「配車オペレーションシステム」も開発し、計画の実効性担保を図っていく方針。

同課は「各医療機関はコロナ対応で手が割けない状況に陥っている。今後、どう(県が)避難計画策定に関わっていくか考えていく必要がある」と述べた。

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