北茨城出身、トリル・ダイナスティさん 「音楽で故郷活性化を」 楽曲、米1位の栄冠

米ビルボードチャートで1位を勝ち取り、盾を手にするトリル・ダイナスティさん(本人提供)
米ビルボードチャートで1位を勝ち取り、盾を手にするトリル・ダイナスティさん(本人提供)
茨城から世界レベルの音楽を-。茨城県北茨城市出身の音楽プロデューサー、トリル・ダイナスティさん(28)=本名非公表=の手掛けた楽曲が、米ビルボードチャートで1位の栄冠を勝ち取った。会社員として働きながら楽曲作りに励み、わずか3年での快挙。周囲の驚きに対し、本人は「ビルボードはあくまで通過点」と語り、さらなる高みを目指す。

■「やっと一枚」
国内外のアーティストに楽曲提供を行う中、米国人ラッパーのリル・ダークさん(28)が昨年12月に発売したアルバムの表題曲「The Voice(ザ・ボイス)」に、歌詞が付く前の楽曲を作るプロデューサーの一人として参加した。

同アルバムが今年1月、音楽チャート「ビルボード」のR&B・ヒップホップ部門で1位を獲得。トリルさんの手元にも1位を認定する盾が届いた。

トリルさんは「何が現実で何が夢か分からなくなった。自信にはつながった」と受賞時の喜びを振り返る。一方で、「本当は(楽曲制作を始めて)1年で取りたかった。やっと一枚という感覚」が率直な気持ちだ。

■自己表現魅力
北茨城市で生まれ育ち、野球一筋の生活を送った。スポーツ特待生として県内の大学に進学したものの、肩を故障して中退した。

アルバイト先の先輩からDJミキサーとターンテーブルをもらったことを機にDJを始め、都内を中心に各地のクラブで活動した。

クラブDJは「みんなが盛り上がる曲」をかけるパフォーマンスを求められ、自己表現の幅が限られる。次第にストレスを感じるようになった。

ある時、友人が「ラップをしたいけど曲が作れない」と話したのをきっかけに、数万円のパソコンとキーボードを購入して2018年から制作を始めた。音楽を専門的に学んだことはない。楽譜も読めない。それでも、あまりの面白さにのめり込んでいった。

「ピアノやギターを使った味のある音楽が好き。それを作る自分がかっこいいと思った」。DJと異なり、楽曲で自分の感性や思いを表現できるのが大きな魅力だった。

■二足のわらじ
平日は会社で働いた後、時に明け方まで楽曲を作る。土日はほとんどの時間を音楽に注ぎ込む。音楽ソフトを使い、ビートやメロディーを打ち込んでいく。

海外の音楽プロデューサーに認知されるよう、会員制交流サイト(SNS)を通して何度も曲を売り込んだ。「音楽を始めるのが遅かったから、早く有名になりたいと思った」

活動を通して得たつながりで、一線級のプロデューサーたちと曲作りをするようになった。ビルボード獲得を何度も経験した仲間がいるから、快挙にも「やっと一枚」と感じた。ビルボードもあくまで通過点だ。

今月16日、地元北茨城市の豊田稔市長を“凱旋(がいせん)訪問”し、音楽人生の最終目標をこう語った。「音楽を通して、愛する地元を活性化させたい」

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