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茨城県立高・中教校 制服選択、性別問わず 多様性踏まえ全校導入

県立水戸二高の新制服デザインについて語る制服変更委員長の中村陽南さん(左)と生徒会長の越田花映さん=水戸市大町
県立水戸二高の新制服デザインについて語る制服変更委員長の中村陽南さん(左)と生徒会長の越田花映さん=水戸市大町

従来、男女別に定められていることが多かった学校制服を巡り、制服がある茨城県の県立高や県立中等教育学校の全校で性別に関係なく自由に選択できるようになったことが26日までに、県教委への取材で分かった。時代に即して校則変更が進んだためで、女子生徒がスカートでなくスラックスを選択することも可能となった。性的少数者への配慮など多様性を踏まえた対応で、県教委高校教育課は「全国的に見ても早い動きではないか」としている。

■見直し推進通知
同課によると、県立高(分校を含む)と県立中等教育学校計98校のうち制服があるのは94校。制服に関する調査は3月に実施した。

県教委は2019年10月、制服を含む校則見直しを推進するよう各校に通知。今月8日には、文部科学省も各教委に対し、同様の事務連絡を行った。

通知に踏み切った理由の一つは、合理性を欠く「ブラック校則」の社会問題化だ。教諭らに、茶色い地毛を黒く染めるよう強要されたとする大阪府立高の元生徒の民事訴訟が影響した。

一方、県内の公立小中学校では基本的に、性別に関係なく制服を選ぶことはできず、個別に対応している。義務教育課は9日、見直しに適切に取り組むよう市町村教委に通知した。

■ジェンダー平等
「スカート一択」だった制服にスラックスを追加し、ネクタイとリボンも生徒個人の選択制-。

「元女子高」だが現状、女子生徒しかいない県立水戸二高。新しい制服はデザインや機能の課題だけでなく、生徒の多様性や将来の男子入学などを考慮した方向性になっている。

生徒自らが制服の在り方を問い、変更の活動を展開してきた。19年10月、生徒会が実施した制服変更のアンケートで73%が賛成した。その後、制服変更委員会も立ち上がり、学校や業者との話し合いを重ねてデザイン選定を進めた。

委員長の中村陽南(はるな)さん(17)は「ジェンダー平等を意識した。スラックスは時代の変化とともに必要になった」とし、社会的な男女格差の解消を念頭に置く。生徒会長の越田花映(はなえ)さん(17)は「社会では多様性がポイントになってくる。二高生として、進んで変更に取り組みたいという思いがあった」と話す。

■自分の事として
「校則の内容は、学校を取り巻く環境の変化や、価値観の多様化に応じて随時見直していくべき」。今月の県議会第2回定例会の一般質問で、小泉元伸教育長は明確に答えた。

各校では校則改正が図られ、通学時のジャンパー着用禁止、下着の色の指定、家族旅行の許可制など、生徒や保護者への合理的な説明が難しい校則は「なくなった」(高校教育課)。

県教委は、生徒や保護者との意見交換を実施するなど、今後も制服や校則について考える機会を設けるよう促していく方針。同課担当者は「校則は学校生活をより良くするための決まり。生徒自身が、自分の事として見直しに携わることが重要」と求めた。

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