中華や野菜、コロナ対策で食品自販機に注目 飲食店や農業法人、新手法模索

ラーメン店「ふる川」が設置した冷凍のラーメンやチャーシューを販売する自動販売機=水戸市米沢町
ラーメン店「ふる川」が設置した冷凍のラーメンやチャーシューを販売する自動販売機=水戸市米沢町
中華料理店が設置した手作りギョーザやシューマイの自動販売機=水戸市酒門町
中華料理店が設置した手作りギョーザやシューマイの自動販売機=水戸市酒門町
愛テックファームが導入したレタスなどの野菜を販売する自動販売機=高萩市秋山
愛テックファームが導入したレタスなどの野菜を販売する自動販売機=高萩市秋山
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、感染防止のため非対面の自動販売機や無人販売所が注目を集めている。外出自粛で飲食店を取り巻く環境が厳しさを増す中、少しでも売り上げを伸ばそうと新たな販売手法を模索する動きが出てきた。

水戸市米沢町のラーメン店「ふる川」は6月下旬、店舗敷地に自販機を設置し、冷凍のラーメンやチャーシューの24時間販売を始めた。代表の古川寛さん(44)は「朝には商品はほとんどなくなっているほど。販売データを見ると通勤の帰りの午後6〜8時が特によく売れているようだ」と話す。

同店は積極的に働き方改革に取り組もうと平日昼間のみの営業で、「コロナの前からテークアウトには力を入れていたが、このような中、時代に合ったやり方として自販機に注目した。今後は2台目、3台目を設置していきたい」と意気込む。

冷凍のギョーザとシューマイを自販機で販売しているのは水戸市酒門町の中華料理店「香香(しゃんしゃん)」。オーナーシェフの前川和彦さん(52)は「24時間購入できるので手軽にギョーザを買ってもらえれば」。新型コロナの影響で来店客が減少し、テークアウトの新たな販売手法を検討していたという。6月上旬に販売を開始したが、販売は好調だ。

農産物を販売する自販機もお目見え。サラダ野菜の水耕栽培を手掛ける農業法人、愛テックファーム(高萩市春日町)はレタスなど野菜の自販機を同市秋山の水耕栽培施設近くに設置した。施設で育てた新鮮野菜をいつでも購入できるのが特徴だ。

販売は好調で、早い時では1時間で売り切れることもあるなど「完売する日が続いている」(松本剣事業統括)という。毎日午前10時ごろに自販機に野菜を並べることがリピーターに認知され、「たまに並んでいることもある」。利用客からは「おいしいのでスーパーに行かずに買っている」「また買いに来ます」などと声を掛けられることもあるという。松本事業統括は「新鮮なものを適正な価格で販売する最初の取り組みとしてやっていきたい」と話した。

新型コロナで注目される自販機だが、普及台数は減少傾向にある。日本自動販売システム機械工業会によると、普及台数は2000年に560万台を突破したのをピークに減少に転じた。20年の自販機普及台数は前年比2.5%減の404万5800台と前年割れ。全体の6割近くを占める飲料自販機が飽和状態にあるのに加え、新型コロナによる外出自粛で売り上げが落ち込んだ。飲料自販機だけで同3.8%減少した。

矢野経済研究所によると、国内の自販機市場は当面、年率で1%前後の台数減が続く見通しとしている。

自販機の設置や保守管理を手掛けるテン商事(水戸市平須町)の兼子充裕社長は「自販機は飲料が中心だが、県内でも新型コロナで公共施設の休業や飲食店の営業自粛により飲料販売に影響が出ている。一方、飲食店が料理を冷凍にして販売するなど食品の自販機はどんどん増えていくのでは」との見方を示す。

食品を販売する冷凍専用自販機は新型コロナで需要が高まり、製造会社では生産が追い付かない状況だという。

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