国内最大規模の野外音楽祭典・ロックフェス、一転中止 医師会要請受け決断 コロナで2年連続 茨城・ひたちなか

会場が熱気に包まれた2年前のロック・イン・ジャパン・フェスティバル=2019年8月3日、茨城県ひたちなか市馬渡のひたち海浜公園
会場が熱気に包まれた2年前のロック・イン・ジャパン・フェスティバル=2019年8月3日、茨城県ひたちなか市馬渡のひたち海浜公園
茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園で8月に開催予定だった国内最大規模の屋外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2021」について、同事務局は7日、開催中止を発表した。県医師会などから、新型コロナウイルスの感染拡大状況に応じた中止・延期の検討や追加感染対策の要請があったとした上で、事務局は「コロナ禍で医療関係者の理解、協力は欠かすことができない。医師会からの要請を重く受け止め、開催断念を決断した」とコメントした。中止は2年連続となる。

昨年は、新型コロナの影響で初の全日程中止となっており、事務局は2年ぶりの開催を目指していた。県や市、同公園と協議を重ね、8月7〜9日と14、15日の計5日間に実施すると6月1日に発表。例年の7ステージを1ステージに縮小し、観客は各日6万9千人だった例年の半分以下とする形で準備し、チケットも販売していた。

県医師会によると、2日に鈴木邦彦会長らが主催者の茨城放送(水戸市)を訪れ、同医師会と県内25医師会、大規模病院連絡協議会が連名で要請書を提出。地元の心配の声を受け、(1)今後の感染拡大状況に応じて開催の中止または延期を検討(2)開催する場合もさらなる入場制限措置などを講じ観客の会場外での行動を含む感染防止対策に万全を期す-の2点を求めていた。

これに対し事務局側は、チケットが完売した日もあり、入場制限や再抽選は不可能で、宿泊や移動を含めた会場外での行動管理も困難と説明。「要請に十分応えることはできない」とした。渋谷陽一総合プロデューサーは「無念としか言えない。楽しみにしていた参加者に本当に申し訳ない」とコメントを出した。

中止を受け、県医師会の担当者は「ワクチン接種は進行過程。首都圏から多くの人が来て感染力の強い変異株が拡大する懸念もある。要請の趣旨を十分くんでいただき、英断を感謝したい」と話した。

チケットの払い戻し方法については、今月中旬に発表する予定。

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