次の記事:茨城県内最多290人感染 全域拡大、水戸も更新

荒ぶる神で病魔退散 茨城・行方市山田、25日祇園祭 対策徹底「暴れみこし」

北浦に投げ込まれたみこしを引き上げる担ぎ手ら=2017年7月、なめがた日和・宮嵜和洋さん提供
北浦に投げ込まれたみこしを引き上げる担ぎ手ら=2017年7月、なめがた日和・宮嵜和洋さん提供

荒ぶる神に病魔退散願う-。茨城県行方市山田の山田八坂神社で25日、祗園祭が開かれる。古くから「暴れみこし」と呼ばれる荒々しい祭りで、地域には「祭りをやめたら疫病がはやり、再開すると収まった」という伝承が残る。このため、登録者のみでみこしを担ぐなど規模を一部縮小し、新型コロナウイルスの収束などを願う。祭り関係者は「神様を敬わないと、地域に幸せが来ないと伝えられている。コロナ禍の中でも、感染対策にしっかり取り組んだ上で神事を行うことに意義がある」と話す。

口伝によると、暴れみこしの由来は300年以上前、暴れるみこしに困った同市白浜の住民が、みこしを北浦に流し、やがて山田地区までたどり着いた。住民はみこしを八坂神社に運び、以来、みこしのみ霊を喜ばせるために、年1回思う存分暴れさせるのが始まりという。

その後、一度は廃れた祭りが現在の形になったのは40年ほど前。地元の有志、山口弘一さん(63)らが「山田祭囃子保存会」を結成し、山車を製作して伝承を元に祭りを復活させた。2019年には市の無形民俗文化財に指定され、地域の祭りとして深く根付いている。

「暴れみこし」の名にふさわしく、祭りの際のみこしはとにかく荒々しく扱われる。祭り前になると例年、神社近くに「疫病塚」が作られる。運び出されたみこしに担ぎ棒を付けた後、担ぎ手たちは真っ先に塚を踏みつぶす。縁起の悪いものを神から遠ざけた後、みこしを回転させたり地面を転がしたりする「荒もみ」を行い、ハス田や北浦に投げ入れてコイを飾り付ける。

昨年はコロナ禍の中、神事に当たる荒もみだけを行った。今年は北浦に沈めたりコイを飾り付けたりはしない予定だが、最初に流れ着いたと伝わるハス田までみこしを運ぶという。

祭りを担当する氏子総代は3年の交代制で、昨年は交代1年目だった。同保存会の横田勇一さん(52)は「担ぎ手の中には、伝統が途絶えてしまうのではないかという危機感がある。ここまで受け継いできたものを後世に伝えることも大切。コロナ禍の収束を願い、しっかりみこしを担ぎたい」と話した。

最近の記事

全国・世界のニュース