アロマオルファクトリー 香るマーカーペン開発 調香体験やマスクにも

マスク用に透明のインクを採用したアロマスティロ
マスク用に透明のインクを採用したアロマスティロ
香りマーカーペン「アロマスティロ」を使い、本格的な調香を楽しめる塗り絵
香りマーカーペン「アロマスティロ」を使い、本格的な調香を楽しめる塗り絵
ベンチャー企業のアロマオルファクトリー(茨城県つくば市、荘司博行社長)はインクに香料を含んだマーカーペンを開発し、本格販売に乗り出す。従来の水性インクを使った香り付きマーカーペンに比べ、より多くの香料を油性インクに含ませることに成功した。香料を調合する「調香」を塗り絵で楽しめる体験キットなどへの展開にも注力する。

開発したマーカーペンは「アロマスティロ」。天然精油を使った「エッセンス」と、合成香料を使った「パフューマー」の二つのブランドを用意した。

香料と油性インクを混ぜ合わせたものをペンの中綿に染み込ませ、香りを持続させる工夫を凝らした。花や果物など計14種の香りがあり、自社ホームページなどで随時販売を始める。

アロマスティロを使った調香体験キットは、バラの香り成分「シトロネロール」などを使った4種の香りのペンが1本ずつ付く。バラの絵が描かれた調香用紙に指定された通りに色を塗るだけで、本格的なバラの香りを楽しめる。

塗り絵の調香用紙は4種あり、ペンを使い分けることで印象が異なるバラの香りをつくったり、オリジナルの香りに挑戦できたりする。ペンで引いた線の長さで香りの違いを確かめるけい線型の調香用紙もある。体験キットはペン4本と調香用紙35枚、簡易テキストなどのセットで3300円。8月中旬ごろに自社ホームページで販売する。

アロマスティロについては、新型コロナウイルス禍で欠かせないマスクに、香りを付けられるタイプを先行して販売した。色の付かない透明のインクを採用し、気軽に気分転換できる商品として、天然精油のハッカ油とラベンダーの香りの2本セットで1210円とした。

荘司社長は大手入浴剤メーカーの「調香師」を18年務め、140以上の製品の香りをつくった実績を持つ。当時から「香りはもっと役に立つ」と感じており、昨年11月に同社を立ち上げたという。

アロマスティロの香料は、香料メーカーに研究協力や原料調達をしてもらいながら自社開発している。かつて培った香料業界のつながりを生かし「社外リソースを効率良く動かせる協力体制ができている」と説明する。

今後はアロマスティロを学校教育やメンタルヘルスケアなどに生かす考え。「学校などにアプローチし、新しいタイプの『香り教育』を広げていきたい」と力を込めた。

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