仮設住宅廃材を東京パラ聖火リレーのトーチに リクシルの茨城・下妻工場 震災復興願い、素材製造担当

リクシル下妻工場で素材を製造した東京パラリンピックの聖火リレートーチと同工場の西端昭則材料部門長=下妻市大木
リクシル下妻工場で素材を製造した東京パラリンピックの聖火リレートーチと同工場の西端昭則材料部門長=下妻市大木
東京五輪に続き、パラリンピックが24日から開幕する。大会を前に全国で聖火リレーの「採火」や「出立」が始まり、リレーに使うトーチが多くの人の目に映る。住宅設備大手のLIXIL(リクシル)下妻工場(茨城県下妻市大木)は、トーチ製作の工程で「素材の製造」を担当。トーチは2011年3月の東日本大震災で被災地の仮設住宅に使われた窓やドアのアルミ廃材を再利用しており、震災復興の願いが込められている。工場関係者は、自らも被災した経験から感慨深く受け止め、胸を熱くしている。

トーチ製作は「企画・デザイン」「筐体(きょうたい)製造」「素材製造」「燃料機構」「燃料供給・燃料ボンベ製造」に分かれ、同社など5社が関わった。

アルミサッシの生産拠点、下妻工場は震災で被災したものの、迅速に復旧して仮設住宅の建設に不可欠な窓などを生産した。役目を終えた仮設住宅のアルミ建材を回収、トーチの素材を製造する新たな役目に取り組んだ。

回収に当たっては地元自治体や解体業者との協議を進め、岩手、宮城、福島の被災3県の仮設住宅824戸から、他社製を含めアルミ製のサッシ部分を集めた。ビスなど異物を取り除き、取り扱いやすい形にプレスし、18年11月、下妻工場に搬入した。工場では高温で熔解し、アルミ成分を調整、円柱状のビレット(金属塊)を鋳造した。同月下旬、トーチの成形などを担う事業者に送った。

リクシルはパラリンピック聖火リレーの「プレゼンティングパートナー」を務める。トーチ製造事業を担った同社東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部の伊木直輝さん(34)は、宮城県内で復興事業に従事した経験を持つ。「ここまで復興の歩みが進んだことが感慨深い。トーチを見て、仮設住宅、震災の記憶が風化されないことが重要なことだと思う」と話した。

同工場材料部門長の西端昭則さん(57)は「ここも震災被害を受けた地域。従業員は当時の苦しさを分かっているメンバーばかり。(廃サッシが)トーチになる話をいただき、達成しなければならないとの重圧感とともに、熱い気持ちを持った」と振り返った。

トーチは、仮設住宅由来の再生アルミを約30%含む。五輪は「桜ゴールド色」の1万本、パラリンピックは「桜ピンク色」の千本が作られた。いずれも同工場製造の素材が使われている。

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