茨城・つくばのNPOと食品検査会社、連携 子ども食堂へ安定提供

NPO法人の森美智子理事長(左)から配布用の食品を受け取る子どもたち。食品は寄付や購入で賄われている=つくば市内
NPO法人の森美智子理事長(左)から配布用の食品を受け取る子どもたち。食品は寄付や購入で賄われている=つくば市内
■全国から食材確保
子どもたちに無料で食事を提供する「子ども食堂」や食品配布を継続的に進めようと、つくば市のNPO法人と食品検査会社が連携し、検査を依頼してくる全国の顧客約8千社から食品の寄付を受け、食材確保につなげる仕組みを10月から始める。新型コロナウイルスの影響で困窮世帯が増える一方で、食材の寄付は数量の確保にばらつきがある。NPOは「安定した食材提供により、多くの家庭に行き渡らせることができる。各地のモデルケースになれば」と期待する。

食材提供に取り組むのは、生活困窮世帯の子どもを支援するNPO法人「居場所サポートクラブ ロベ」(つくば市島名、森美智子理事長)と、食品の残留農薬や放射能検査を担う食品検査会社「つくば分析センター」(同市千現、土橋幸司社長)。

NPOは市内3カ所で市委託と独自の無料学習支援塾や、子ども食堂などを開いている。子ども向け無料塾は家庭での学習環境に不安がある子どもを対象に週3〜4回開き、休憩時間に子ども食堂や食品配布も実施している。

食材提供は11団体の寄付や購入品で賄っている。食材寄付はフードバンクや生産者、企業から受けるものの、子どもと大学生ボランティアの分を含め食事提供は多い日で50食を超える。「子どもたちに持ち帰ってもらう食材を含めると、すぐに不足してしまう」(森理事長)のが現状という。

食材寄付の幅を広げるため、つくば分析センターの協力を得る。同社は食品検査を全国から請け負い、顧客の農家や食品メーカー、流通業者から余剰作物やサンプルの寄付を受けることが多いという。顧客数は約8千社に及び、同社が寄付を呼び掛ける。顧客が検査食品を送る際、子どもたちへの農作物や加工食品も併せて送ってもらう。

受け入れは、農産物や加工食品、災害備蓄食品、贈答品などを想定。鮮度は問題ないにもかかわらず規格外や価格調整で廃棄せざるを得ない食品も受け入れる。

土橋社長は「これまでも寄付を受けた食品は子ども支援に提供してきた。全国に善意で共感する顧客がいる。この流れを広げて各地の子ども支援のモデルケースになれれば」と語った。森理事長は「コロナの影響で生活が厳しくなった家庭もある。1人でも1食でも多くの子どもたちに食材を提供したい」と見据える。

両者はほかに、子ども食堂に提供する食事で食中毒を出さないよう、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」に沿った対応をするため、講習会を開く。他の子ども食堂運営者も招き、厳しい衛生管理の下での運営を広げたい考えだ。

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