処理水海洋放出 漁協「対策は不十分」 茨城県内関係団体向け説明会

オンラインで東京電力に丁寧な説明の継続を求める小野寺俊副知事=県庁
オンラインで東京電力に丁寧な説明の継続を求める小野寺俊副知事=県庁
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、風評被害を軸とした当面の対策が関係閣僚会議でまとまったのを受け、茨城県主催の説明会が14日、オンラインで開かれた。漁業団体は、これまで通り放出反対の姿勢を示した上で、後継者確保の支援など茨城県への対策が不十分だと訴えた。

説明会は、経済産業省など関係省庁や東電の担当者が出席し、冒頭のみ公開された。茨城県からは漁業関係団体や市町村、県の担当課など約50団体が参加した。国側は8月24日に取りまとめた対策を説明し、事前に受け付けた質問を中心に回答した。

説明会冒頭で小野寺俊副知事は「処理水の処分については、国民の理解が必ずしも十分に進んでいる状況ではない」と指摘。東電に対し「漁業者をはじめとする関係者に、政府方針などの丁寧な説明を」と求めた。

終了後、茨城沿海地区漁業協同組合連合会の飛田正美会長は「海洋放出に反対の立場は変わらない」と強調。後継者確保対策など福島県向けに打ち出された対応と茨城県向けの対応に差があることを挙げ、「具体的に茨城に対する施策が見えない。漁業を継続できる徹底した取り組みを」と求めたことを明らかにした。

出席した沿岸市の担当職員は「放出による風評被害の疑念は根強い。払拭(ふっしょく)するような対策が今後も必要だ」と話した。

処理水を巡っては、多核種除去設備(ALPS)の関連施設で排気フィルターが破損し、2年前にも同様の破損がありながら原因を究明せず、フィルターを交換しただけで運転を続けていた問題も浮上している。

出席した県水産加工業協同組合連合会の高木安四郎会長は「海洋放出をしっかり管理できるのか、不信感がさらに募った」と語り、「信頼回復に努めてほしい」と伝えたという。

風評被害対策として国は、経産省の「処理水損害対応支援室」設置▽東電の相談窓口や専用ダイヤル開設▽水産物需要低下時の基金による買い取り▽処理水放出前や間接的な損害への適切な賠償-などを打ち出している。

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース