茨城・常陸太田の菓子製造業者 落雁木型を発見、100個以上

発見された木型を持つ吉沢広道さん=常陸太田市中染町
発見された木型を持つ吉沢広道さん=常陸太田市中染町
縁起のいい文字や同じ模様が複数彫られた小さな木型も
縁起のいい文字や同じ模様が複数彫られた小さな木型も
茨城県常陸太田市中染町の菓子製造業、水府食品製造本舗(吉沢広道店主)の倉庫で、和菓子の落雁作りに使う古い木型が発見された。同店は1901(明治34)年創業。3代目の吉沢さん(75)が引き継いでからは木型を作っておらず、初代の祖父や2代目の父親の時代に作られたものとみられる。一部を仕事場の前に展示したところ、見た人たちから「懐かしい」「珍しいものが残っていた」などと好評を博している。

落雁は粉にしたもち米に水あめや砂糖などを混ぜて練り、型に押して固めて蒸し、乾燥させた干菓子。冠婚葬祭や茶席の場で出され、四季の草花や祝いの文字・文様などが描かれている。

同店は現在、パンや生菓子なども作っているが、地域の敬老会などから注文を受けて落雁も製造。鶴と亀の2種類の木型を使っている。吉沢さんは「昔はちょっとした祝い事に落雁を配った。落雁のもとになる粉を、おかゆにして食べたなどの話も聞いたことがある」と懐かしそうに話す。

木型は仕事場2階の倉庫から見つかった。今年5月下旬から6月ごろ、三女(39)と一緒に片付けていると、サクラの木でできた型が100個以上も出てきた。縦20〜30センチ、横14〜15センチのものが多く、松竹梅やエビなどデザインは全て異なっていた。表裏の面で違う絵柄があしらわれた型や、一つの板に同じ模様が複数彫られた型もあった。

見つかった木型には、明治時代に作ったと思われる「馬頭 荷馬車組合 観世音 山田郷」の文字が彫られたものも。また、72年に1度行われる金砂大祭礼で引き物として使われた「祝大祭」の文字が彫られたものなど、地域の歴史も刻まれている。

吉沢さんは「当時は木型職人が水戸からやって来て、注文を取って製作していた。懐かしい木型を使って(落雁を)作って、皆に見てもらいたい」と笑顔を見せた。

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