飯村丈三郎の業績顕彰 水戸鉄道敷設や文化振興 茨城・下妻でシンポ

飯村丈三郎の業績を探ったシンポジウム=下妻市鬼怒
飯村丈三郎の業績を探ったシンポジウム=下妻市鬼怒
茨城県下妻市黒駒(旧黒駒村)出身で、茨城の近代化と発展に貢献した飯村丈三郎(1853?1927年)の業績を顕彰するシンポジウムが3日、同市鬼怒の千代川公民館で開かれた。午前と午後の部に、それぞれ約40人が訪れ、水戸鉄道(現JR水戸線)の敷設や茨城新聞社2代社長などを務めた郷土の偉人への理解を深めた。茨城新聞社主催。

自由民権運動に身を投じた飯村は、県議会議長や衆議院議員を歴任したほか、第六十二国立銀行(現常陽銀行)を3年で再建。岡倉天心や横山大観ら五浦派の芸術家とも親交があり、晩年は文化・教育事業に注力。茨城中学校(現茨城中・茨城高)を創設した。

シンポジウムでは、茨城地方史研究会の久信田喜一会長、茨城大の小泉晋弥名誉教授、県立歴史館の石井裕主任研究員、元県立歴史館行政資料室長の川俣正英氏がパネリストとして参加。飯村丈三郎研究会の鈴木宏治幹事長がコーディネーターを務めた。

鉄道と石材の分野で飯村を研究している川俣さんは、1889(明治22)年に県内初の鉄道として開業した水戸鉄道について紹介。同鉄道は当初、水戸と小山(栃木県)をつなぐ北線と、水戸・石岡・下妻などを通る南線が計画されており、「南線は北線よりも距離が約18キロ長く実現しなかった。しかし、飯村は下妻にどうしても線路を通したくて、その後、常総鉄道で敷設に尽力した」と話した。

小泉名誉教授は、日本美術史における飯村の位置付けについて「飯村と親交のあった美術評論家の斎藤隆三は知られているが、飯村は研究家に知られていない」と指摘。来年、県天心記念五浦美術館(北茨城市)で斎藤隆三を取り上げる企画展が予定されることから「斎藤と並んで飯村が全国に知られるきっかけになるだろう」と期待した。

シンポジウムは、11月7日に水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館でも開かれる。

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