阿字ケ浦観光再生へ、集客モデル実証 茨城・ひたちなか市

建物の壁に絵を描く「阿字ケ浦ミューラルプロジェクト」=ひたちなか市阿字ケ浦町
建物の壁に絵を描く「阿字ケ浦ミューラルプロジェクト」=ひたちなか市阿字ケ浦町
■壁画アートや音楽、映画
新型コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受けている観光拠点の再生を目指し、茨城県ひたちなか市は今月から来年1月にかけ、阿字ケ浦海岸周辺地域で観光事業者らと連携し、壁画アートやドライブインシアターなど五つの事業を実施する。にぎわいを取り戻すだけでなく、コロナ禍でもできるイベントや新たな集客モデルの実証を行い、ポストコロナも見据えた新しい観光ツールの開発にもつなげたい考えだ。

同海岸にある市の建物の壁に絵を描く「阿字ケ浦ミューラル(壁画)プロジェクト」が1日から始まった。海外を中心に壁画アートなどを制作するアーティスト、TWOONE(トゥーワン)さんが毎日描いている。

制作前に阿字ケ浦地区を回って見たものや、地元住民との交流で聞いたことからインスピレーションを得て青一色で表現し、16日に完成する。TWOONEさんは「地元の文化や伝統、歴史を伝えたい。多くの人に地元の魅力を再発見してほしい」と壁画に込める思いを語る。同プロジェクト実行委の関山大介代表(38)は「今回をきっかけに、阿字ケ浦にアートツーリズムをつくることができれば」と先の展開を見据える。

事業は、コロナ禍で苦境にある観光拠点を支援する観光庁の「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」の補助金を活用。全国102の自治体や団体の取り組みが採択され、県内では同市のみ。事業ごとに実行委などをつくり、市と連携して行う。

15~17日は同海岸で車内から音楽や映画を鑑賞する「SEA BOX阿字ケ浦ドライブイン」、11月3~7日にはキャンドルアートを楽しめる「LIGHT UP AJIGAURA」が開かれる。11月と来年1月に観光地や休暇先で働くワーケーションのモニターツアーを、1月にはひたちなか海浜鉄道湊線を活用した地域再生を考えるワークショップも行う。

同地区の宿泊施設では、コロナ禍で収入の柱だったスポーツ合宿などの団体客が減少。ワーケーションに着目し、個人客の受け入れに注力している。モニターツアーを通して新規顧客層の開拓につなげたい狙いがある。

ドライブインイベントは昨年も開催されたが、今回は新型コロナワクチンを2回接種済みか、PCR検査陰性の証明書などの提示を入場条件とした。市観光振興課は「阿字ケ浦を多様な文化やライフスタイルが楽しめ、心身の豊かさを充足できる地域にしたい。少人数で何度も来てもらえる新たな事業も形にできれば」としている。

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