交通弱者の足に ワゴンコミバス運行開始 茨城・土浦
JR荒川沖駅に近い茨城県土浦市中村南・西根南地区で20日、ワゴン車両を使ったコミュニティー交通「つちまるバス」の運行が始まった。路線バスが走っていない公共交通空白地域のうち、住民要望の多い同地区で実証実験として運行する。交通弱者の足を確保するのが狙い。住民らが半年ごとに話し合い改善しながら2年間の実証を進める。
市によると、バス停は地区内を中心に23カ所設けた。地区外ではホームセンターのジョイフル本田、県南病院、イオンモール土浦、霞ケ浦医療センターまで走らせる。定員は8人。コミュニティー交通として狭い道路も走る。1日5往復する。料金は1回大人一律200円。
この日運行開始式が同市中村南4丁目の三中地区公民館で開かれ、第1便に早速、住民が乗り込んだ。安藤真理子市長は「地域の協議会が住民意見を聞いて運行となった。交通弱者の外出支援や地域活性化につなげ、持続可能なバスになるよう多くの人に乗ってほしい」と語った。
公共交通に関する市の協議会長を務める岡本直久筑波大教授は「バス運行への地域の考えが十分まとまり、機が熟した。他の地域のお手本となるよう利用してもらえれば」と期待を込めた。地元区長らが出席する中村南・西根南地区意見交換会の森浩孝代表は、地区内の高齢化率が33%と高いことを挙げ、「活発な意見が出て運行が決まった。生活空間に入り込む公共交通として利用促進に結び付けていきたい」と話した。