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《連載:衆院選 わたしの一票》(2) 経済政策

生花店「花咲」の榊原真一社長
生花店「花咲」の榊原真一社長
エムテックの松木徹社長
エムテックの松木徹社長


■継続的な支援が必要 水戸市、生花店主 榊原真一さん(66)

花の生産者や生花店でつくる団体「いばらき花プロジェクト」代表。水戸市梅香で生花店「花咲」を営むが「結婚式や宴会用の花需要がほぼない。ネット注文で補っても、売り上げはコロナ前と比べ2、3割減」と現状を明かす。

昨年は、持続化給付金の支給や県主催の「いばらきの花の定期便」、市の企画で公共施設にアレンジメントを届けるといった、業界を応援してくれる動きがありありがたかった。しかし、今年はなくなった。「支援は一時的な気がする。継続的な対策が少しでもあると、業界は助かる」

長年、街中で花屋を営み感じるのは「大通りに人通りが少なく、活気がない」こと。にぎわい創出や経済回復のため、若者向けのイベントだけでなく、高齢者がゆっくり楽しめる場所が欲しい。「新水戸市民会館が開館すれば、人出が違うのでは」と期待を寄せる。

岸田文雄首相は「成長と分配の好循環」を訴えるが、具体策が見えない。「地方にどのように分配されるのか。生活者に身近で分かりやすく(政策を)打ち出してほしい」。政治に求めるだけでなく「自助努力で新たなニーズをつくり、業界を元気にしたい」。

■下請け保護の拡充を 茨城県ひたちなか市、製造業 松木徹さん(45)

自動車部品製造のエムテック(茨城県ひたちなか市)を社長として引っ張る。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年秋以降受注が減少。今年春からは回復傾向にあったが、最近は半導体不足や部品の調達難で大手完成車メーカーの減産が続く。同社の取引先も生産調整に入っており「ここに来て先が見えなくなった」と話す。

10月からは最低賃金が上昇した。9月以降は原油価格の高騰も続いている。人件費や原材料価格の値上がりで「利益が圧迫され、どんどんなくなってしまう」のが現状だ。

人手不足が深刻化する中、賃上げについては「デフレの問題もある。必要なのは分かっている」。ただ、消費税や社会保障費など公的負担も増しており「従業員は賃金アップしても実感が湧かないのではないか」と感じる。

コストの増加分を製品価格に転嫁するためには大手の発注元と交渉しなければならないが「今までの関係がある。すんなり値上げとはいかない」。

下請け業者の利益を保護する制度は強化されつつあるものの「企業を守る施策を厚くしなければ中小はなくなっていく」とさらなる拡充の必要性を訴える。

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