住井すゑ文学館、開館 茨城・牛久 旧宅改修、書斎を再現

住井すゑ文学館の展示棟を見て回る住井さんの親族=牛久市城中町
住井すゑ文学館の展示棟を見て回る住井さんの親族=牛久市城中町
長編小説「橋のない川」で知られる作家、住井すゑさん(1902~97年)の文学の軌跡について紹介する「住井すゑ文学館」(茨城県牛久市城中町)が3日、開館した。同館は市が住井さんの旧宅を改修して整備、書斎を一部再現して公開、原稿や万年筆などの貴重な資料50点を展示する。

住井さんは奈良県出身で、35年に夫・犬田卯さんとともに現・同市城中町に移り住んだ。2018年に家族から同所の旧宅と敷地が市に寄贈され、市が改修と資料の整理を進めてきた。

同館は展示棟、管理棟、抱樸舎の3棟で構成。このうち展示棟は、住井さんの書斎があった建物を改装して整備した。住井さんが執筆時に愛用した机や万年筆、辞書などを展示し、書斎を一部再現している。窓からは牛久沼を眺めることができ、当時の住井さんの執筆風景に思いをはせることができる。また、「牛久沼のほとり」の自筆の草稿原稿や、予定や構想などを書き記した手帳などの資料や写真を展示。合わせて、旧宅に残されていた書籍約3400冊も公開し、執筆の土壌を垣間見ることができる。

市文化芸術課の飛鳥川みつきさん(40)は「建物と作家の見ていた風景がそのままの姿で残っており、一体のものとして当時を感じてみてほしい」と語った。

同日、記念式典が同所で開かれ、住井さんの長男・犬田章さん(98)ら家族が出席。展示棟を見て当時に思いをはせた。章さんは「使っていた万年筆は摩耗してペン先が割れていた。それを糸で絡めて直して使っていた」と振り返り、「そこまで書き込むぐらい原稿を書いていた。まさに原稿の虫だなと思った」と懐かしそうに話した。

根本洋治市長は「市の文化遺産のシンボルとして未来につなげたい」と話した。

午前9時~午後4時半。入場料は一般100円(30日まで無料)、高校生以下無料。月曜休館。

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