新体験の筑波山登山 官民連携でアプリ開発 11月から実証実験

筑波山登山道アプリを示して記念品の飲料水を受け取った実証実験の利用者=つくば市筑波の筑波山
筑波山登山道アプリを示して記念品の飲料水を受け取った実証実験の利用者=つくば市筑波の筑波山
スマートフォンで撮影した写真に拡張現実(AR)による旗を表示した画面
スマートフォンで撮影した写真に拡張現実(AR)による旗を表示した画面
■地図やAR、登山届も

筑波山登山を新しい体験で楽しんでもらおうと、茨城県と筑波大、民間企業が連携してスマートフォンのアプリを開発し、11月から実証実験を始めた。ハイキングに使える登山地図のほか、拡張現実(AR)技術を使ってカメラ画面に旗を表示し、山頂などで人物と重ねて撮影できる。ネット経由で簡易版の登山届も出すことが可能で、救助案件にも対応する。開発担当者は「さまざまなデジタル機能で登山を楽しめる。若者をはじめ、リピーターを増やすきっかけにできれば」と期待を込める。

無料登山アプリ「Mount Tsukuba(マウント・ツクバ)」は、県と筑波大、県内外の民間企業4社が連携して開発した。デジタル技術で産業に変革をもたらす「デジタルトランスフォーメーション(DX)」事業の一環。

特徴は、①ARを使った新しい山頂体験②デジタル登山届③デジタル登山地図④利用者特典-など。使い方は、まずアプリをスマホに取り込み登録。写真撮影画面を開くと、英語で「マウント・ツクバ」と書かれた紫色の旗がARで現れ、登山家気分で写すことができる。

登山届は救助を行う警察や消防と情報を共有する。アプリの開発会社「フラー」(千葉県)の担当者は「普段登山届を出さない観光客でも簡単に入力できるようにした」と説明する。

登山地図は、10のハイキングコースを選べる。GPS(衛星利用測位システム)で現在位置が分かり、道迷いを防げる。同社担当者は「通常は2~3コースの利用が多いが、10カ所を巡って何度でも楽しめるようにした」と話す。

登山道には、筑波大研究室によるデザイン性の高い標識を計70カ所新設する。うち12カ所は小型無線機器を取り付け、利用者が通過するとアプリに記録する。実験期間中、利用者はハイキングコースを完登すると、特設テントで記念バッジや飲料水、日帰り温泉の割引券をもらえる。アプリには寄付機能もあり、傷んだ登山道の整備費に寄付金を充てる。

当初使える機種は若者に使用者が多いiPhone(アイフォーン)限定。実験の結果を見て、アンドロイド版も加える考えだ。来年3月末までの実験期間中に千回登録を目指す。

事業をまとめるアーク地域研究センター(水戸市)の赤津一徳社長は「筑波山の魅力づくり、登山の安全、利用者負担による登山道整備につながる取り組み。多くの人に利用してほしい」と呼び掛けた。

県は2018年度から、筑波山のブランドづくりを推進。これまで若者向けに地図やウェブサイトを新調し、無料冊子やTシャツも作った。筑波山神社の登山口に近い宿泊・みやげ店街には、民間情報拠点「ベース877」が今年5月に開設された。

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