日本語学校、コロナで苦闘 留学生大幅減 入国後隔離の条件緩和訴え

日本語学校で日本語を講師から学ぶ楊玉瑩さん(左)。在籍する唯一の留学生だ=土浦市中央
日本語学校で日本語を講師から学ぶ楊玉瑩さん(左)。在籍する唯一の留学生だ=土浦市中央
■茨城県内受け入れは22年2~3月に遅れる学校も
新型コロナウイルス感染拡大に伴い外国人留学生の入国が制限された影響で、学生を受け入れる日本語学校が苦闘している。国は新規入国を11月から再開したものの、上限があり、茨城県内では受け入れは来年2~3月に遅れる学校も多い。経営の柱の留学生が大幅に減り、渡航しての募集活動もできず打撃を受けた。学校側は「入国後の隔離の条件も緩和してほしい」と柔軟な運用を訴える。

■半年間待機
「つらかった。待つしかなく、ひたすら日本語を独学で勉強していた」-。今月19日、土浦市中央の日本語学校「つくば外語学院」。中国から昨年11月入国した楊玉瑩(ようぎょくえい)さん(21)は振り返る。高校卒業後、日本留学を決めたものの、コロナ禍で渡航が停止され、約半年間待たされた。

仲間は断念し、大学進学する仲間を見て自分の立場に不安を感じ、一時は「もうやめよう」と考えた。日本で働く姉から「大丈夫。いつか来られるよ」と励まされ気持ちを保った。

昨年11月、一時緩和でようやく来日。1年間で日本語検定2級を取り、1級合格も目指す。卒業後は専門学校に進みIT関連の仕事を志す。「日本は人が優しく、自分の性格に合っている」と語りつつ、「早くコロナが落ち着いて正常に戻ってほしい」と願った。

■唯一の学生
留学生は現地の日本大使館で「在留資格認定証明書」を申請し、審査で認められれば来日できる。しかしコロナ対策で国は昨年4月、入国を制限。11~12月の一時緩和では入国できる人数に上限があり、ロックダウン(都市封鎖)により大使館や学校、送り出し機関も全て閉鎖した国もある。数千~数万とされる留学希望者が今も各国で待機を余儀なくされている。

同校は例年、年約60人の留学生を受け入れ、2学年で常時約100人が在籍。しかし現在は楊さん1人だけという異常事態に陥った。学校事業の収入が途絶え、講師はグループのビジネス系専門学校や別事業に振り分け、何とか雇用を守った。

全体では赤字を免れたものの、収入減を補うコロナ対策助成金は受給対象から外れた。留学生の入学中断を受け、関連の専門学校は進学者減で来年1年間は休校せざるを得ない。卒業生の就職も航空、旅行業界の需要が激減。別業界に希望変更を促している。

事務局の劉東瀛(りゅうとうえい)さんは「学生が全て留学生の場合のリスクが表面化した。専門学校は日本人学生も学べる課程に見直し、2年後の再開を目指す」と見据える。

■ホテル確保も
国は条件を緩和し11月以降、申請順で留学生の入国を認め始めた。しかし順番待ちで早くても来年2~3月の受け入れ枠になる学校も多い。入国後の隔離期間は、ビジネス渡航者は3~10日だが留学生は14日。さらに隔離中に個室が要請されれば、学校側の滞在費負担が増す。

別の日本語学校の関係者は約30人が各国で待機しているとし、「20~30人が入れる寮として賃貸住宅を用意してあるが、1人1室が求められればホテルの部屋を確保する必要がある」とし、その場合の総費用は110万~210万円かかる計算。「中小規模の学校では厳しい。隔離施設の条件で少しでも緩和があれば」と要望する。

来年度以降の留学生確保に向けて募集活動の再開も鍵となる。渡航して現地での説明会など募集活動が不可欠だという。劉さんは「留学生は卒業後あらゆる産業で働き、日本の日常生活に欠かせない人材になっていることを理解してほしい」と訴える。

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