ポイント求めマイナカード申請増 茨城 支援策後押し、取得率37%

多くのマイナンバーカード新規申請者が訪れた6市町村合同の申請サポート=水戸市内原のイオンモール水戸内原
多くのマイナンバーカード新規申請者が訪れた6市町村合同の申請サポート=水戸市内原のイオンモール水戸内原
■利用サービス、なお限定的
身分証明書として使えるマイナンバーカード(個人番号カード)の問い合わせや申請が、茨城県内で増加している。政府が19日に閣議決定した経済対策に盛り込まれた、カードの新規取得者や保有者に対する1人最大2万円分の「マイナポイント」付与や、自治体の取得支援策が後押ししたとみられる。県内の取得率は37・4%まで上がった。ただ、利用できるサービスは限定的で、具体的なカードの活用を想定していない申請者もいて、「特典狂騒曲」の様相もあるのが実情だ。

■行列
16日午前、マイナンバーカードの申請手続きサポートが、水戸市内原2丁目のイオンモール水戸内原で開かれた。水戸、笠間、城里、東海、那珂、ひたちなかの6市町村合同で初めて実施。自治体ごとにクオカードやクリアファイルなどの特典があり、行列ができた。来訪者は職員に誘導され、顔写真の撮影や手続きを進めた。

水戸市は10月27日に同所で市民限定の申請支援を行い、75人の申請を受け付けた。今回は、2日間に同市民だけで計755人が訪れた。

知人から聞いて訪問した同市の女性(45)は「政府のマイナポイント付与で申請を考えた。いずれ作るなら、タイミングがいい時に作ろうと思った」と話した。特典にひかれ夫婦で来た同市の70代男性は「カードの必要性は感じない。どういう利点があるか、明確に分かれば積極的に使用するが…」と悩ましげだった。

■「過渡期」
水戸市市民課によると、新たなポイント付与が報じられた11月上旬から、マイナンバーカードに関する問い合わせが増えた。申請したい人のほか、市民センターでの出張申請の予約やカード受け取りの予約が重なり、電話がつながりにくくなったという。電話機3台で対応していたが、現在、問い合わせの多い午前中は最大6台を稼働する。

3月末ごろにも、カード取得者に最大5千円分を還元する事業の延長で、問い合わせが増加。地方公共団体情報システム機構が1~3月、カード未取得者に申請書を再送付したことで申請が伸びた。

総務省のまとめによると、同市の人口に対する交付率は、3月1日現在の25・5%から、11月1日現在は38・9%にはね上がった。

同課の担当者は「本来は自発的に申請する人が多い状態が望ましい」と語る。今後の国のカード活用の方向性を踏まえつつ、「今は過渡期。ただ、皆が持っていないと、利便性を上げても自治体側としてもメリットは少ない」とも指摘した。

■活用拡大へ
同省のまとめでは、11月1日現在の茨城県全体のカード交付枚数は108万6582枚。人口に対する交付率は37・4%で、全国平均を1・7ポイント下回る。

カードの活用を巡っては、健康保険証として利用できる「マイナ保険証」の本格運用が10月20日に始まった。新型コロナウイルスワクチンの電子版接種証明の申請もカードを使って12月から予定する。2016年に交付開始後、確定申告などにとどまっていた活用方法がようやく広がってきた印象だ。

県情報システム課の担当者は「県内のカード申請率は右肩上がりで、順調に伸びている」という。県内全44市町村のうち、41市町村は住民票など証明書のコンビニ交付に対応している。担当者は「利用できるサービスを増やしていくことが拡大の肝と思う」と見通した。

★マイナンバーカード
国民に割り当てられた12桁の個人番号(マイナンバー)や顔写真、名前、住所、生年月日、性別が記載されたICカード。取得は任意で、パソコンやスマートフォン、郵送などで申請できる。ICチップを内蔵し、オンラインで行政手続きをする際の認証に使える。交付は2016年に始まった。

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