保立さん、学校給食で日本一に 茨城・ひたちなか、美乃浜学園栄養教諭

学校給食日本一の栄冠をつかんだ保立貴博栄養教諭(中央)とサポートした関山春美調理員(左)=ひたちなか市磯崎町の美乃浜学園
学校給食日本一の栄冠をつかんだ保立貴博栄養教諭(中央)とサポートした関山春美調理員(左)=ひたちなか市磯崎町の美乃浜学園
日本一に輝いた保立貴博さん考案の献立=保立さん提供
日本一に輝いた保立貴博さん考案の献立=保立さん提供
■県産食材で彩り鮮やか

学校給食日本一を決める「第16回学校給食甲子園」(認定NPO法人21世紀構想研究会主催)の各賞が4日、発表され、茨城県ひたちなか市磯崎町の市立美乃浜学園(義務教育学校、児童生徒520人)に勤務する県内公立学校で唯一の男性栄養教諭、保立貴博さん(31)=神栖市出身=考案の献立が優勝した。ひたちなか市が生産量日本一の干し芋など県産食材をふんだんに使い、彩りも良いメニューで、実際に同校で提供し好評だった。保立さんは「驚きとうれしさの両方。励みにしてこれからもおいしい給食を作る」と喜びを語った。

頂点は県勢初。サポートした同校調理員の関山春美さん(47)とともに表彰された。給食甲子園には給食作りや食、栄養に関する指導を行う栄養教諭や学校栄養職員から1355件の応募があり、保立さんの献立は予選に当たる1~4次審査を通過。関東代表としてトップ12入りしていた。

挑戦は6回目で、前回の献立を改善。干し芋とちりめんじゃこを使ったまぜご飯のほか、奥久慈しゃもとレンコンのソテー▽茨城の野菜と常陸沖「さくらだこ」のあえ物▽豚汁-などで、使用食材34品のうち7割超の25品が県内産というこだわりが認められた。

まぜご飯の干し芋は黄色が鮮やかな品種を使い、あえ物は赤黄のパプリカや紫色のたこで色とりどりにするなど、彩りも高評価。豚汁にはきな粉や豆乳を加え、うま味を足すことで塩分を抑えるなど細やかな工夫が随所に見られた。

同校で保立さんは、サツマイモ栽培から、干し芋加工、食べるまでの体験、魚食離れ対策としての地元漁港への訪問など、子どもたちの食育に注力しており、献立に加えてアピール。こうした普段の積極的な活動も評価された。

県内公立学校の給食に携わる栄養教諭は164人いるが男性は1人だ。「女性が多い職場と知らずに入った」と保立さん。共働き世帯で育ったため、家族に料理を作る機会が多く、昔から「食への関心が高かった」。祖父の病気をきっかけに食事や栄養の大切さを実感し、現在の職を志した。

家族のためだけだった料理が、いまでは多くの人のための給食に変わり、やりがいを感じる。一方で毎回出る残食が「残念」。献立以外にも給食時の5分の栄養指導、食育の取り組みなどに力を入れ「少しずつ残食が減るなど子どもたちの意識が変わってきた」。

同日は保立さんと関山さん、同僚の教職員やひたちなか市内の栄養教諭、大谷明市長など約30人が同校に集い、生配信の映像を見ながら発表の瞬間を待った。保立さんは他賞で声が掛からず不安そうな表情を浮かべたが、最後に「優勝」と告げられ破顔。主催者が訪れ優勝旗を手渡した。

日本一を機に「栄養教諭の存在、男でもできる仕事ということを知ってほしい」と保立さん。「これからも地元食材のおいしさを伝え、健康な子どもたちを育てたい」と力強かった。

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