茨城の良さ、課題考察 魅力度ランク題材、本出版

文庫本「これでいいのか 茨城県の野望」の著者の一人、岡島慎二さん=ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」から
文庫本「これでいいのか 茨城県の野望」の著者の一人、岡島慎二さん=ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」から
■茨城ゆかり、ライター2人
10月に発表された民間調査会社による2021年の「都道府県魅力度ランキング」で、茨城県は2年ぶり11回目の最下位となった。このランキングをテーマに、茨城県を見つめ直した文庫本「これでいいのか 茨城県の野望」(マイクロマガジン社)が出版された。茨城県にゆかりのある2人のライターが、統計データから茨城県と全国を比較し、県民の声を丹念に拾い集めるなどして茨城の魅力と課題を描写している。

全国自治体を対象とした同社で人気の地域批評シリーズから、茨城県分を抜粋して文庫化した。320ページ、1078円。今年5月から各書店などで発売されている。

同書は、両親が茨城大卒のフリーライター、鈴木ユータさんと、同社編集部で土浦市出身の岡島慎二さん(53)の2人が執筆した。

同書では、魅力度ランキングの仕組みを説明しながら、茨城県が下位である原因を解説。観光したい県や憧れる県が評価されやすい一方、統計を見ると、茨城の農業産出額は全国3位だったり、県民の所得水準も高かったりするように、「茨城には(ランキングが使う)アンケート項目では評価されない魅力が多くある」(岡島さん)としている。

このほか、ランキングには表れない茨城県の農業や暮らし面での魅力を紹介している。さらに、水戸市や日立市など、古くからの中核都市が抱える観光や産業面での課題に鋭く切り込む。

例えば水戸市の場合。ドラマ「水戸黄門」は現在、地上波で放映されておらず、「国民的番組」ではないにもかかわらず、同市は土産やご当地グルメ、マラソン大会まで「黄門さま」頼りだ。同市は都市化が進んで歴史的遺産が散在し、散策しても歴史を感じにくい。回遊性も低く、訪れた人の目的によって行く場所が分散している、と指摘する。

日立市は、創業地の日立製作所が経営スリム化の進展を受け、関連事業所が続々と閉鎖。市内の商店不足も深刻で、駅前の商店街では「テナント募集中」のポスターが目立つ、としている。

岡島さんは「あからさまに最下位と言われるのは悔しかった。書籍では茨城の長所、短所を含めて紹介しているので、地域を見つめ直すきっかけにしてほしい」と話している。

■岡島慎二(おかじま・しんじ)さん
1968年土浦市生まれ。大学進学を機に上京。フリーのライターとして、「これでいいのか茨城県」(マイクロマガジン社)シリーズの1冊目で、東日本大震災からの茨城県の復興の様子を取り上げた。3年前、同社編集部に入社した。



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