保険契約巡り住宅修理トラブル急増 茨城 4年で4.5倍に

チラシを県に寄贈する岡本圭司日本損害保険協会茨城損保会長(右)と矢口和博県県民生活環境部長=県庁
チラシを県に寄贈する岡本圭司日本損害保険協会茨城損保会長(右)と矢口和博県県民生活環境部長=県庁
■自然災害多発が背景か
火災保険や地震保険などの保険金が関わる住宅修理のトラブルが増えている。国民生活センターや消費生活センターに寄せられた茨城県内での相談件数は、2016年度の70件が、20年度は316件と約4・5倍に急増した。水害など近年の自然災害多発が背景にあるとみられ、県や業界団体は「おかしいと思ったら契約する前にまずは保険会社や代理店、消費生活センターなどに相談してほしい」と呼び掛けている。

具体的な相談の一例はこうだ。県内在住の中年男性は、訪問してきた業者に「自己負担なしで住宅修理ができる」と言われ、火災保険の代理申請の契約を結んだ。その後、契約書に、修理業者を自社に限定し、他の業者に頼んだ場合は違約金として保険金の50%を請求するとの項目があったのに気付き、消費生活センターなどに解約の相談をした。結果的にこの男性は被害を免れた。

県などによると、悪質な業者は、男性の例のように「自己負担なく修理できる」「無料で点検する」などと勧誘するのが特徴の一つだ。自然災害の発生後にトラブルが増える傾向にあり、見積もり通りに保険金が下りず、多額の工事費用を自己負担で支払うことになったり、代理申請を申し出て高額な手数料を要求されたりするケースがあるという。

経年劣化による損傷を自然災害と偽って請求するよう業者に促される場合もある。うその理由で保険金を不正に請求すると、詐欺罪に問われる恐れがある。

増加するトラブルを防ごうと、県は市町村や近県と連携し、情報共有や啓発活動に取り組み、事業者への行政指導にも当たっている。損害保険各社でつくる日本損害保険協会茨城損保会は、チラシや動画を作成して周知に努める。

同協会茨城損保会は今月、作成したチラシ2万枚を県に寄贈した。県の協力を得て、県内での相談件数の推移や相談事例などを盛り込んだ。県は市町村や民生委員のほか、消費者団体や業界団体などに配布し、被害に遭いやすい高齢者などに注意を促す方針だ。

チラシは計7万枚作成し、県のほか、加盟各社や県警などを通じても配布していく。

同会の岡本圭司会長は「住宅修理業者から訪問や勧誘を受けたら、その場で契約せず、まずは契約内容をよく確認してほしい」と話している。

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