茨城・古河の太陽光発電施設 「周知ない」トラブルに

周辺住民が設置前の周知がなかったとする太陽光発電施設=古河市下大野
周辺住民が設置前の周知がなかったとする太陽光発電施設=古河市下大野
2020年秋に稼働した茨城県古河市下大野の太陽光発電施設について、設置を計画した当時の事業者に対し、市が適切な範囲の住民に周知するよう指導せず、確認も怠ったため、周知がなかった住民と現在の事業者との間にトラブルが起きていることが9日、分かった。

市の条例では、事業者が設置される行政区内の住民に対し、計画の事前周知や要請に応じた説明会を開いて理解を得るよう義務付けている。住民の一部は「光が反射してまぶしい」などと訴えている。市は事実を認め、「解決に向けて積極的に住民や事業者と協議に関与したい」としている。

条例は景観保全などを目的に17年4月に施行。対象は総発電出力50キロワット以上の太陽光発電設備で、事業者は設置前、住民への周知の範囲や方法を事前に市と協議するとしている。市長は事業者が条例に従わない場合、助言や勧告ができる。

市環境課によると、同課は20年1月ごろ、設置を計画する事業者に対し、事前に行政区内の住民への周知義務があることを説明。事業者は同20日、事業地から20メートル以内の住民ら11人のみに説明するとした事前協議届出書を提出したが、同課は「様式に従って提出された」として問題視しなかった。

同施設の周辺住民47人は21年3月、条例違反を指摘し、事業者に稼働中止と隣地への設置計画中止を勧告するよう市に意見書を提出。これを受けて市は再調査を行ったが、事業者がこれまで説明したとする一部住民に「周知されていた」として、勧告できないと回答していた。

住民代表の男性(53)は「市は条例違反を認めて是正する義務がある。原状回復をしてほしいが、せめて設置角度を変えてほしい」と話している。

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