好調カプセル玩具 空き店舗に専門店 市場急拡大、450億円超に 茨城

水戸オーパに出店している「ガチャガチャの森」。1000台近いカプセル玩具販売機が並ぶ=水戸市宮町
水戸オーパに出店している「ガチャガチャの森」。1000台近いカプセル玩具販売機が並ぶ=水戸市宮町
高校生が集めている食品パッケージなどのカプセル玩具=水戸市宮町
高校生が集めている食品パッケージなどのカプセル玩具=水戸市宮町
「ガチャガチャ」「ガチャポン」などの愛称で親しまれ、硬貨を入れてハンドルを回すとおもちゃが手に入る「カプセル玩具」の人気が高まっている。新商品が次々に登場し、店側は客を飽きさせない工夫を重ねている。茨城県内でもコロナ禍の影響で商業施設の空き店舗を中心に専門店が進出し、売り上げも好調。運営会社は市場規模が450億円程度まで拡大したとみている。

◓県内最大規模◒

昨年9月、イオンモールが運営する水戸駅南口の商業施設「水戸オーパ」(水戸市宮町)の6階に、県内最大規模のカプセル玩具専門店「ガチャガチャの森」がオープンした。店舗面積は190平方メートル、総台数は999台を誇る。

「このお店にはよく来ている。今日も千円分以上回した」

鉾田市の女子高校生(15)は、冷凍食品やアニメ「アンパンマン」のキーホルダーを目当てに、友人と店を訪れた。「かわいいからかばんに付けたい。キーホルダーになっていることが大事」とこだわりを見せる。

水戸市の会社員男性(25)は、ミニチュアの実験器具を探っていた。「同じ物が2個出て残念」と悔しがりながら、「いろんな種類があってわくわくした。また回しに来たい」と笑顔を見せた。

◓毎月新作300種◒

同店では、キャラクター商品をはじめ、配線コードや電車の座席のミニチュアなどマニアックな物まで、200~500円の商品を扱う。1日に平均700個が売れているという。水戸オーパの担当者は「中には一度に5千円以上を使うお客もいる」と説明する。

この担当者によると、平日は学生の来店が多く、休日は大人や家族連れが増える。売れ筋については、「子どもにはキャラクターものだけでなく、ハチや深海生物などリアルな生き物も人気」。大人には「実在する食品や家電などの精巧なミニチュアが好評」と傾向を語る。

カプセル玩具は、毎月約300種の新商品が登場している。店は約3カ月で商品が総入れ替えになるペースで新作を導入。客を飽きさせない売り場づくりを徹底する。売り上げは「開店以降、毎月過去最高を更新している」(担当者)と好調だ。

◓出店要請3倍◒

ガチャガチャの森は現在、全国に約60店舗を展開する。運営会社のルルアーク(福岡市)の担当者によると、メインターゲットは「20~40代の女性」に設定。これまで触れてこなかった層を狙ったことで「全体の市場規模は、年間300億円から450億円以上に急成長している」と話す。

同社によると、カプセル玩具は40年ほど前から商業施設やスーパーの出入り口に設置されてきた。数年前から専門店が増え、同社も2014年に初の専門店をオープンしている。

コロナ禍で商業施設からアパレルや飲食店の撤退が増加。空床を埋める動きとカプセル玩具人気が重なり、出店要請はコロナ禍前の3倍ほどに増えたという。担当者は「今後も計画が合えば、茨城県内への出店を検討していく」としている。

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