「タッチケア」で心解放 茨城・筑西の障害者支援施設 リラックス効果、信頼も

服の上から手のひらで軽くゆっくりと相手の背中や腕をさする。ぬくもりや重みがリラックス効果をもたらし、お互いの距離感を縮める。これらの動作を「タッチケア」と称し、障害者と日常的に触れ合う現場では、双方のコミュニケーションをより良くするための有効な方法として取り入れ、効果を発揮している。
茨城県筑西市の社会福祉法人征峯会(渡辺和成理事長)の運営する施設では、昨年4月から本格的にタッチケアを導入した。昼休みや就寝前に約5分から10分の短い時間で施設職員が入所者に向き合う。「気持ちいいですか」などと言葉を交わしながら、肩から腕へ、後ろに回って背中をさする。マッサージのような雰囲気に入所者も気持ちよさそうに目を細めている。征峯会が昨年1年間に行ったタッチケアは7千回を超えた。
導入のきっかけは約3年半前。施設職員と利用者の距離感を縮めたいと考えていた渡辺理事長が、都内などでリラクゼーション事業を運営している「エーワン東京」の鈴木明社長に相談したことだった。リラックス効果をもたらす新しい施術を考案しようと、両者は約2年間、福祉現場での試行錯誤を経てタッチケアを開発。70人の職員全員が習得に向けて学んできた。
関係者によると、導入後は障害者と施設職員の関係が明らかに良くなったという。同市小塙の障害者支援施設「ピアしらとり」の石井浩之施設長は「障害者の方は他者から親密に触れられる機会が圧倒的に少ない。タッチケアで心が解放されているようだ」と話す。
職員の態度にも変化が出てきた。事務局が行った聞き取りでは「笑顔で接する機会が増えた」「今までより愛情を感じられるようになった」「信頼関係が強くなった」などの意見が寄せられたという。
渡辺理事長は「近年、全国的に障害者虐待が増え社会問題になっている。タッチケアが広まり解決の一助になってくれれば」と期待を寄せる。征峯会では今後、高齢者福祉施設でもタッチケアを行う計画だ。
茨城県筑西市の社会福祉法人征峯会(渡辺和成理事長)の運営する施設では、昨年4月から本格的にタッチケアを導入した。昼休みや就寝前に約5分から10分の短い時間で施設職員が入所者に向き合う。「気持ちいいですか」などと言葉を交わしながら、肩から腕へ、後ろに回って背中をさする。マッサージのような雰囲気に入所者も気持ちよさそうに目を細めている。征峯会が昨年1年間に行ったタッチケアは7千回を超えた。
導入のきっかけは約3年半前。施設職員と利用者の距離感を縮めたいと考えていた渡辺理事長が、都内などでリラクゼーション事業を運営している「エーワン東京」の鈴木明社長に相談したことだった。リラックス効果をもたらす新しい施術を考案しようと、両者は約2年間、福祉現場での試行錯誤を経てタッチケアを開発。70人の職員全員が習得に向けて学んできた。
関係者によると、導入後は障害者と施設職員の関係が明らかに良くなったという。同市小塙の障害者支援施設「ピアしらとり」の石井浩之施設長は「障害者の方は他者から親密に触れられる機会が圧倒的に少ない。タッチケアで心が解放されているようだ」と話す。
職員の態度にも変化が出てきた。事務局が行った聞き取りでは「笑顔で接する機会が増えた」「今までより愛情を感じられるようになった」「信頼関係が強くなった」などの意見が寄せられたという。
渡辺理事長は「近年、全国的に障害者虐待が増え社会問題になっている。タッチケアが広まり解決の一助になってくれれば」と期待を寄せる。征峯会では今後、高齢者福祉施設でもタッチケアを行う計画だ。