茨城・鉾田の長田さん 視覚障害者用ゲーム考案 盲学校に寄贈 手の感触で分かる工夫

盲学校に「手さぐり四目並べ」を寄贈している長田純一さん(右から2人目)と製作を担当する仲間たち=鉾田市中居
盲学校に「手さぐり四目並べ」を寄贈している長田純一さん(右から2人目)と製作を担当する仲間たち=鉾田市中居
視覚障害者用のゲームを考案し、盲学校に寄贈している男性がいる。茨城県鉾田市汲上の元ミュージシャン、長田純一さん(68)。市内の木工房に依頼して制作したゲームを、6日までに32校に5セットずつ配布した。長田さんは「時間はかかるが全国の盲学校に送りたい」と話している。

寄贈しているゲームは、市販されている立体式の四目並べをヒントにした「手さぐり四目並べ」。通常の四目並べは、色違いの球体の駒を使う。一方の長田さんが考案したゲームは、駒を色でなく立方体と球体の形で分け、手の感触で違いが分かるよう工夫した。

制作は、長田さんの知人で瀬沼裕さん(72)=同市中居=が担当している。瀬沼さん方の趣味の木工房で、木製の駒を一つ一つ手作業でやすりをかけている。瀬沼さんは「長田さんの希望に添えるよう頑張りたい」と意欲的に取り組んでいる。忙しそうな瀬沼さんの姿を見かねて手助けしようと、近所の人たちも集まってきた。長田さんは瀬沼さんたちの協力に感謝し、工房を「天使の手作り工房」と名付けた。

長田さんは20代の頃、東京都内でギターの弾き語りをしていた。30代で父親が営む埼玉県の工場を継いでからは、「困っている人の助けになりたい」とボランティア活動にいそしむようになった。福祉施設やボランティア列車「ひまわり号」などを舞台に歌と演奏を披露し、障害者に寄り添ってきた。

2017年に仕事に区切りを付け、鉾田市に移住。自宅などで音楽イベントを企画して高齢化が進む地域を活気付けている。最近はロシアに軍事侵攻されたウクライナを支援しようと、チャリティー音楽会も開催した。さまざまなボランティア活動に携わる中で、視覚障害者に対する支援活動の少なさを感じてきた。「楽しく毎日を過ごしてほしい」と思い、ゲームの寄贈に乗り出したという。

3年前からゲームの試作品作りに取り組み、瀬沼さんの協力で量産体制が整った。以前から支援してきた日本盲導犬協会に試作品を送ると、大変な好評を得た。全国の盲学校への寄贈を始める大きな後押しになった。寄贈先からは「視覚障害者用の遊具は数が少ないのでありがたい」「ゲームだけでなく数字の勉強にも使えそう」「木でできているので親しみやすい」などの声が寄せられ、励みになっている。

全国には67の盲学校や視覚支援学校があり、制作費や送料など多額の費用も必要とされる。それでも長田さんは「食べる分のお金だけあればいい」と活動の継続に意欲を見せる。「いずれはどこかの学校を訪問し、生徒と一緒にゲームで遊びたい」と笑顔で語った。

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