茨城・取手市「あいサポート運動」推進 県内初 障害者に手助けの輪

とりで障害者協働支援ネットワーク代表の染野和成さん(左)と話す市担当者。襟には「あいサポートバッジ」=取手市役所
とりで障害者協働支援ネットワーク代表の染野和成さん(左)と話す市担当者。襟には「あいサポートバッジ」=取手市役所
あいサポートバッジ
あいサポートバッジ
■支え合う地域実現へ

街なかや交通機関などで障害者に手助けできる人を増やそうと、茨城県取手市は「あいサポート運動」を推進する。鳥取県発の運動で、全国で徐々に広がりを見せる中、茨城県内での取り組みは同市が初めて。近く同県と連携推進協定を結ぶ。研修を受けてサポーターに認定される仕組みで、市は「障害に対する理解促進を広く呼びかけ、支え合う地域を目指したい」とする。

■まず知ることから

あいサポート運動は、さまざまな障害を理解した上で、障害のある人が困っている時に「ちょっとした手助けや配慮」を実践できる人を社会に増やし、誰もが暮らしやすい地域をつくろうという運動だ。

実践する「あいサポーター」は、特別な技術などはいらない。座学を受けることで認定される。市障害福祉課の加藤輝代課長は「一人でも多くの市民に、まずは障害を知ることから始めてほしい」と話す。

同課などによると、障害に関して必要な配慮がよく知られておらず、障害者にとって困難な場面が日頃、街なかなどで見られるという。

例えば、点字ブロックの上に自転車などが置かれる(視覚障害)▽店舗などで案内や呼び出しが聞こえない(聴覚障害)▽わずかな段差でも動けなくなる(車椅子使用)▽言葉や行動の意味が相手に伝わらず誤解や偏見を受ける(知的障害)▽外見から分かりにくく電車やバスの優先席に座れない(内部障害)-など。

■シンボルのバッジ

市はサポーターを養成するため、市民団体「とりで障害者協働支援ネットワーク」(染野和成代表)の協力を得て、10月に研修の開催を予定する。

研修では、さまざまな障害の内容や特性のほか、障害者が日常生活で困っていること、必要な配慮などを学ぶ。修了者にはシンボルである「あいサポートバッジ」が渡される。

運動は鳥取県が2009年に始めた。障害者権利条例の理念の実現を目指している。理念への賛同の輪は、全国の自治体などに広がっている。同県によると、4月末現在、連携協定を締結したのは、8県15市6町。あいサポーターは58万8012人。あいサポート企業・団体は2316団体に上っている。

関東地方では埼玉県富士見市や川口市、神奈川県大和市などが締結し、県内では取手市が初めて。

市は鳥取県と6月23日に協定を締結し、さまざまなノウハウを得たい考えだ。

■心のバリアフリー

共生社会の実現は、国の重要な課題。16年に障害者差別解消法が施行され、昨年、改正法が成立した。今月19日には、障害者が日常生活や災害時に、情報格差の解消を目指す障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が成立するなど、法整備が進められている。

法や設備とともに「心のバリアフリー」も課題とされる。染野さんは「当事者にとって、バッジが着いていれば、声をかけやすい。多くの人にサポーターになってほしい」と期待。共生社会の実現へ「運動が広がり、支え合う社会に近づいてほしい」と願う。

藤井信吾市長は「鳥取県のノウハウを頼りに運動を進めていきたい。障害について、多くの市民に、より理解してもらいたい」と話した。

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース