水戸市動物愛護センター3年目 適正飼育、訴え強化 コロナ下も保護、譲渡

水戸市動物愛護センターに収容されている子猫と触れ合う子ども=同市河和田町
水戸市動物愛護センターに収容されている子猫と触れ合う子ども=同市河和田町
犬や猫などの適正飼育を啓発する水戸市動物愛護センターが設立3年目に入った。同市の中核都市移行に伴い新設したものの、新型コロナウイルス感染拡大の中でのスタートとなり、啓発活動や譲渡に関する発信の機会が制限されてきた。本年度は感染状況に注意しながら、啓発や住民との連携を本格化させていきたいと意気込む。

■感染拡大の影響
「かわいい」「あったかい」。犬や猫を抱いた子どもたちが笑顔を見せる。水戸市動物愛護センターでの施設見学会の光景だ。

センターは2020年4月に開設された。療育施設を改築した事務棟と新設の動物棟があり、獣医師、事務、動物介護士の計6人が勤務している。

主な事業には、動物愛護の意識を醸成するキャンペーンや施設見学会、飼い主に適正な飼育を啓発する講習会、不妊去勢手術費用の補助など多岐にわたる。

補助事業は毎年、交付頭数が400頭を超え、市民に定着している様子を見せるが、啓発関連の事業は、中止や人数制限するなど、新型コロナの感染拡大の影響を受けてきた。

動物を飼うことの責任の重さを伝える小学生向け出前授業「ふれあい教室」は昨年度、学校の授業時間の確保を理由に申し込みがなかった。同センターの仕事や収容中の犬猫の現状を知ってもらう「親子見学会」については、1回の定員を絞って何とか行ってきた。

同センターの松田智行所長は「外へ出向く機会を増やしていきたい」と語る。

■収容増に危機感
飼育放棄されたり、迷子になったりした犬猫の保護もセンターの役割だ。

収容した犬猫は、20年度が計196頭、21年度が同計190頭。このうち、飼い主への返還や里親への譲渡に至ったのは、20年度が130頭、21年度が183頭という。

「幸い多くの犬猫が譲渡できているが、市民の需要が今後なくなれば収容しきれなくなることも想定している」と松田所長は危機感を持つ。譲渡先を市外に拡大する必要性も考えているという。

センターでは、適正な飼い主に譲渡する目的で、里親候補者には講習会に加えて自宅訪問を2回行う。このため、遠方の候補者への対応は難しい。「まずは収容されないことが、犬猫にとっての幸せ」と啓発活動の重要性を強調する。

■市民と連携事業
収容される犬猫を少なくするため、同センターは地域住民やボランティアとの連携も模索する。昨年度は「地域猫活動モデル事業」を始動させた。

地域猫とは、飼い主はいないが、周辺で見守られている猫。餌付けする住民がいる一方、糞尿被害を指摘する住民もいるため、地域での合意形成が課題だ。去勢不妊手術による増え過ぎの防止や、決まった時間に餌を与えるなどルール作りが不可欠となる。

同事業では、市内の1地域をモデル地区に選定し、去勢不妊手術の推進やトイレ設置の協力を呼びかけるリーフレットを配布。無償の去勢不妊手術や猫を捕獲するノウハウの伝授も実施し、計8頭の猫に施術を完了した。

松田所長は「市民にとって身近なセンターにするとともに、市民と動物が共生していける環境づくりに努めたい」と話す。

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