農業高産品 販売中止、正式に撤回 茨城県教委 月内にも全校に説明

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県立農業系高校で生産される農産物の販売を22年度から中止して無償提供に切り替えたのを巡り、県教委が販売中止の撤回を正式決定したことが21日、分かった。これまで県議や教員、生徒などから、「販売で得られる経験がある」などとして中止に疑問や反対の声が上がり、県教委は15日の県議会文教警察委員会で「有償提供の継続を検討している」と説明していた。

正式決定は21日、県教委がいばらき自民党政調会(石井邦一会長)で報告した。月内にも県立農業系高校全7校に説明する。

取材に対し県教委は、有償提供の維持について「生徒や地域の声を受け止めた」と説明。今後は有償と並行して無償提供も可能とし、教育活動の自由度を高めるという。「子ども食堂」への食材提供、小中学校への花の苗提供など、有償では難しい社会貢献活動などに取り入れる。

県教委はさらに、農業経営者としてのプロ意識を育てる教育も推進。計画・生産から販売・収支まで一連の実習に生徒が主体的に参加できる仕組みづくり、加工業や市場といったプロが働く現場での体験学習などに各校と相談して取り組むとしている。

会合後、石井政調会長は「一定程度の評価はしたい。子どもたちがより深い学びをできるよう一緒に考えていきたい」と話した。

販売中止は県立農業系高で昨夏、電源が一度落ちた冷蔵タンクから細菌が繁殖した生乳を出荷し、他生産者の生乳も含め廃棄に至ったトラブルが発端。県教委は、売上金を県に納める仕組みのため、教員の「売り上げ」への意識が強くなり過ぎることが一因と分析した。中止方針を各校に通知したのは3月下旬で、急な方針転換により、販売できなくなった生産物を廃棄する学校もあった。

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