筑波海軍航空隊記念館 恒久保存へ旧庁舎改修 ゼロ戦実物大模型も 茨城・笠間

地下戦闘指揮所隣りの倉庫に展示されたゼロ戦の実物大模型=笠間市矢野下
地下戦闘指揮所隣りの倉庫に展示されたゼロ戦の実物大模型=笠間市矢野下
■戦争遺構、次世代に

戦争遺構として茨城県笠間市に現存する筑波海軍航空隊旧司令部庁舎などの関連施設が、恒久保存に向けて改修され、25日にリニューアルオープンした。建物周囲の室外機・パイプ類などが撤去されて建造時の姿を取り戻したほか、庁舎から南へ約1キロ離れた地下戦闘指揮所隣りに倉庫を設けて、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の実物大模型を新たに展示した。公開は7月2日から。庁舎の保存活動などに携わる筑波海軍航空隊記念館は「多くの支援に感謝し、戦争の歴史を伝える施設として運営していきたい」としている。

庁舎は、航空隊発足時の1938年に建てられ、地上3階の鉄筋コンクリート造りで延べ床面積約1684平方メートル。戦後は学校校舎、県立友部病院の管理棟に使用された。老朽化のため2011年に取り壊しが決まったが、12年に映画「永遠の0」のロケ地となったことで脚光を浴び、所有者の県が建物を映画実行委に貸し、13年に記念館としての運営が始まった。

16年からは笠間市が建物を借り受け、実行委に運営を委託。18年6月には庁舎隣りに新展示棟がオープンし、同年12月に市の文化財に登録された。

20~22年には、クラウドファンディング(CF)で寄せられた1500万円を超す支援金を元に改修。建物周囲の室外機・パイプ類などを撤去し、玄関付近の天井を減築して装飾された梁(はり)を露出させるなど建造時の姿を取り戻した。

さらに、約1キロ離れた場所に地下戦闘指揮所を整備し、隣に設けた倉庫には映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」(11年公開)の撮影で使用したゼロ戦の実物大模型を新たに展示した。

同日のリニューアル式典には、航空隊友の会会員、県や笠間市の関係者、CFの協力者ら約150人を招待。保存活動に尽力した航空隊友の会元事務局長の南秀利さん(84)は「平和のシンボルとなってほしい」と思いを語り、県職員の立場から取り組みに奔走した県営業戦略統括官の橘川栄作さん(60)は「戦争遺構を次世代に残すことが使命。決して忘れさせてはいけない」と力を込めた。

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