電力逼迫、節電に奔走 茨城県内 自治体・企業・販売店

「電力需給逼迫注意報」発令を受けエスカレーターを停止したスピカビル=筑西市丙
「電力需給逼迫注意報」発令を受けエスカレーターを停止したスピカビル=筑西市丙
全国各地で猛暑となり、東京電力管内に「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」が初めて発令された。茨城県内では27日、自治体が照明の消灯やエアコンの温度を高めに設定するなどして対応に奔走。エスカレーターの停止や陳列テレビの電源オフ、電力使用量を確認しながらの牛乳製造など、施設や企業もさまざまな形で節電に協力した。

茨城県庁は各課で冷房を28度に設定。大型給湯器の電源を切断し、窓際や廊下の照明の一部を消して省エネに努めた。1階のエレベーター前モニターでは、利用者に節電を呼びかける掲示を出した。

水戸市は市ホームページやLINE(ライン)の公式アカウントで、熱中症に注意しながらエアコンを適切に使用するよう市民に呼びかけた。職員には節電と時間外勤務の縮減を伝え、、照明などの使用時間短縮に取り組んだ。

茨城県筑西市役所が入る複合施設「スピカビル」(同市丙)は同日午後から終日、1~5階部分のエスカレーターの運転を停止した。案内を掲げ節電対策への理解を市民に求め、階段とエレベーターの利用を呼びかけた。来庁した同市の主婦(81)は「こういう対応は良いことで必要だ」と理解を示した。

家電量販店大手のケーズホールディングス(水戸市)は、3月の電力需給逼迫警報発令を機に対策に着手。ケーズデンキ全店で4月中旬から、商品のテレビやパソコンの一部の電源を落としている。広報担当者は「引き続き節電に努めていく」としている。

京成百貨店(同)は売り場のエスカレーターの半分、エレベーターは5基のうち2基の稼働停止を決めた。平日のみの対応で、早ければ今週中にも始める。運営する水戸京成百貨店(同)の担当者は「社会的状況を見て対応を決めた」と話した。

乳業メーカー「トモエ乳業」(古河市)は、以前から導入している電力需要予測システムを活用。電力使用量の上限に近づいたと伝える警報が鳴ると、一時的に製造ラインや冷蔵を止め、節電を図った。

同社は既に数日前から同様の対応を取っているという。小川澄男専務は「生乳の品質保持には温度管理の徹底が重要」とした上で、「電力供給量を注視しつつ、安心安全な商品の供給に努めていく」と語った。

経済産業省は28日も東電管内の電力需給が厳しくなる恐れがあるとして、「注意報」を継続すると発表した。県環境政策課の担当者は「必要のない電気の使用はできるだけ控えてほしい。熱中症が懸念されるため、冷房は適切に使ってもらえれば」と話した。

★電力需給の逼迫
電力の需要に対して供給に余裕がない状態。日本では、原発の再稼働が進まない中、脱炭素化の流れで老朽化した火力発電所の休廃止が広がり電力の供給力が低下している。東北地方を中心に3月に起きた地震で一部の火力発電所が被害を受け、復旧が間に合っていないことも背景にある。電力会社は気象データなどを基に需要を予測している。需要が供給を上回ると大規模な停電につながるため、逼迫時には節電を呼びかけて、需要を抑えることを目指す。

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