茨城・桜川市 人工衛星で漏水調査 AI活用、作業短縮

衛星調査で漏水の恐れを5段階で判定し、色分けした地図のイメージ(桜川市提供)
衛星調査で漏水の恐れを5段階で判定し、色分けした地図のイメージ(桜川市提供)
水道管の老朽化による水漏れ拡大を防ごうと、茨城県桜川市は本年度、人工衛星を使った調査に乗り出す。人工衛星が地表へ放出した電磁波から得られたデータを人工知能(AI)が解析し、水漏れしている場所を推定する。手作業だった漏水調査の時間を大幅に短縮できるとして、市は調査費用の削減や水道管の効率的な更新につなげる考え。

市は今月上旬、調査を委託するイスラエルのITベンチャー企業の国内代理店と契約を締結した。本年度中に調査結果をまとめる方針だ。

市水道課によると、調査に使用する人工衛星は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「だいち2号」を想定する。衛星が地表に放った電磁波は、水道管のある地下数メートルまで浸透し、反射して衛星に返る。漏水した水道水と、それ以外の水では反射の内容が異なるため、水漏れの場所が認識できるという。

電磁波から得られたデータをAIで解析し、漏水の恐れを5段階で判定する。判定を基に現地調査し、水道管を修繕するほか、更新計画に反映する。

市内水道管の総延長は約490キロ(2021年3月時点)。このうち、法定耐用年数の40年を超えているのは約13キロある。また、給水量と料金収入のあった水量の比率「有収率」は63・7%(21年度)で、効率的な水道管の更新が求められてきた。

これまでの漏水調査は、水道管が地下を通る路面などに専用の機器を当て、異音を確認する手作業が中心だった。市内全ての水道管を調べれば4~5年かかるが、衛星調査は1年ほどで済むという。

市は衛星調査の事業費として、本年度の水道事業会計補正予算に2千万円を計上した。国が過疎地域の地域課題解決の取り組みを支援する「過疎地域持続的発展支援交付金」を活用する。

市によると、人工衛星を使った漏水調査は県内初。県内の一部自治体と協調して発注することも検討している。市は26年度に有収率67%の目標を掲げており、市水道課の担当者は「(衛星調査で)有収率向上を実現したい」と話し、新たな調査方法に期待している。

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