次の記事:大井川知事「記憶一切ない」

希少動植物、リアルに 河本さんが編みぐるみ展 水戸

全国の編み物愛好家の協力で作り上げた作品「魚群」と河本珠美さん=水戸市備前町
全国の編み物愛好家の協力で作り上げた作品「魚群」と河本珠美さん=水戸市備前町


ふわふわした希少生物の造形がいっぱい-。毛糸を編んで綿を詰め、人形などを造形する立体クラフト「編みぐるみ」の作家、河本珠美さん(44)=茨城県ひたちなか市在住=の作品60点を展示する「あみぐるみ展」が、水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。

会場には河本さんが制作してきたリュウグウノツカイ、ダイオウイカ、マッコウクジラなどの海洋生物。ヤンバルクイナや出身地の奄美大島に生息するアマミノクロウサギやアマミスミレなど絶滅危惧種の動植物。奄美群島の妖怪「ケンムン」なども並ぶ。

あみぐるみ作家「ぽぽぽ本舗」として活動する河本さんは「危惧種を作品化することで危険な現状を伝え、それらについて考えてもらうきっかけにしてほしいから」と、他に例の少ない動植物を主題とする意図を語る。

会場の一室には、交流サイト(SNS)で全国の編み物愛好家に呼びかけた「魚群編もうぜ」プロジェクトの成果も展示。全国から集まった2800匹の魚をつり下げた労作「魚群」として展覧している。

編み図(設計図)を基に同一の魚を編むことで「コロナ禍で分断されたみんなの気持ちが一つなった」とプロジェクトの意義を強調する。

自身の作品傾向を「かわいいものよりリアルなものが多い」と評する河本さん。「リアルな造形を楽しむとともに、こんな生き物いるんだ、と気付き考えてくれれば」と話した。

会期は9月18日まで。月曜日と8月14~16日は休館。

最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース