《連載:全国高校野球茨城大会回顧》(上) 明秀日立 強力打線が機能
第104回全国高校野球選手権茨城大会は、21年秋と22年春の覇者でAシードの明秀日立が、盤石の戦いぶりで初優勝を飾り、春夏連続の甲子園出場を決めた。96校93チームが繰り広げた今大会を振り返る。
■明秀日立が初優勝 石川好投、エース支える
明秀日立は大会を通じて、4番石川ケニー主将(3年)を軸とした県内ナンバーワンの強力打線が猛威を振るった。全6試合中4試合がコールド勝ちで、チーム打率は4割を超えた。
中でも、決勝で反撃ののろしを上げる適時三塁打を放った2番本坊匠(同)は脅威の打率6割超。サヨナラ本塁打を放った3番佐藤光成(同)も打率5割7分9厘、15打点と勝負強い打撃で打線をけん引した。つなぎ役の9番伊藤和也(同)が好調を維持したのも、打線が機能した大きな要因となった。
ターニングポイントは、前年覇者・鹿島学園をコールドで下した4回戦だろう。相手のエース左腕を攻略し、伊藤の3点本塁打など計19安打で3回までに10点のリードを奪っての完勝だった。
投手陣は、エース右腕・猪俣駿太(同)を支える「2番手」の存在が非常に大きかった。猪俣は21回1/3を投げ、防御率3点台と決して本調子とは言えなかったが、主に火消し役として5試合に登板した左腕・石川主将が防御率0点台、18奪三振と安定感抜群の投球でエースを支えた。
猪俣から石川主将への継投策が特に光ったのは、土浦日大との決勝だった。同点で迎えた七回2死一、二塁と九回2死二塁のピンチに、猪俣からバトンを受けた石川主将がともに相手左打者を空振り三振に仕留めた。猪俣も計8回9奪三振の快投で、本来の調子を取り戻した。
投手陣の粘投に打線も応えた。五回に本坊の右翼フェンス直撃の適時三塁打と敵失で同点とすると、九回2死二塁から佐藤が左越えサヨナラ2点本塁打を放った。最も苦しんだ試合となったが、最後はしっかり勝ち切った。
今春の選抜大会は、市和歌山にサヨナラ負けを喫した。その悔しさを再び全国の舞台で晴らそうと、投打ともにレベルアップして臨んだ今大会は、まさに〝王者〟の戦いぶりだった。甲子園では、「明秀らしい美しい野球を見せる」と金沢成奉監督(55)。昨秋から県内負けなしの強さは本物だった。
■明秀日立優勝への歩み
▽2回戦(13日・日立市民)
江戸崎総合 00000│0
明秀日立 0424×│10
(5回コールド)
(江)木村-吉田
(明)石川、猪俣-伊藤
▽本塁打 柴、猪俣(明)
▽三塁打 佐藤(明)
▽二塁打 佐藤、猪俣、本坊(明)
▽3回戦(17日・ひたちなか市民)
明秀日立 42050│11
古河一 00010│1
(5回コールド)
(明)高橋、岡部-伊藤
(古)青木、諏訪-斎藤、平川
▽本塁打 武田(明)
▽三塁打 高橋(明)
▽二塁打 佐藤、伊藤、辻(明)
▽4回戦(20日・ひたちなか市民)
明秀日立 1630012│13
鹿島学園 0003010│4
(7回コールド)
(明)猪俣、石川、猪俣-伊藤
(鹿)小池一、野口、大川、中根-高久
▽本塁打 伊藤(明)高久(鹿)
▽三塁打 平野、石川(明)船田(鹿)
▽二塁打 武田、石川、伊藤(明)
▽準々決勝(22日・ノーブルホーム水戸)
明秀日立 120130020│9
竜ケ崎一 010003011│6
(明)猪俣、石川、猪俣、石川-伊藤
(竜)向井、坂本-加藤
▽本塁打 石川(明)
▽三塁打 佐藤(明)
▽二塁打 平野(明)佐藤、原(竜)
▽準決勝(24日・ノーブルホーム水戸)
境 0001000│1
明秀日立 2011202x│8
(7回コールド)
(境)中村、横瀬、金枝、高橋-塚田
(明)高橋、石川-伊藤
▽二塁打 佐藤、猪俣(明)
▽決勝(27日・ノーブルホーム水戸)
土浦日大 020000000│2
明秀日立 000020002x│4
(土)河野、山田-塚原
(明)猪俣、石川、猪俣、石川-伊藤
▽本塁打 佐藤(明)
▽三塁打 本坊(明)
■明秀日立が初優勝 石川好投、エース支える
明秀日立は大会を通じて、4番石川ケニー主将(3年)を軸とした県内ナンバーワンの強力打線が猛威を振るった。全6試合中4試合がコールド勝ちで、チーム打率は4割を超えた。
中でも、決勝で反撃ののろしを上げる適時三塁打を放った2番本坊匠(同)は脅威の打率6割超。サヨナラ本塁打を放った3番佐藤光成(同)も打率5割7分9厘、15打点と勝負強い打撃で打線をけん引した。つなぎ役の9番伊藤和也(同)が好調を維持したのも、打線が機能した大きな要因となった。
ターニングポイントは、前年覇者・鹿島学園をコールドで下した4回戦だろう。相手のエース左腕を攻略し、伊藤の3点本塁打など計19安打で3回までに10点のリードを奪っての完勝だった。
投手陣は、エース右腕・猪俣駿太(同)を支える「2番手」の存在が非常に大きかった。猪俣は21回1/3を投げ、防御率3点台と決して本調子とは言えなかったが、主に火消し役として5試合に登板した左腕・石川主将が防御率0点台、18奪三振と安定感抜群の投球でエースを支えた。
猪俣から石川主将への継投策が特に光ったのは、土浦日大との決勝だった。同点で迎えた七回2死一、二塁と九回2死二塁のピンチに、猪俣からバトンを受けた石川主将がともに相手左打者を空振り三振に仕留めた。猪俣も計8回9奪三振の快投で、本来の調子を取り戻した。
投手陣の粘投に打線も応えた。五回に本坊の右翼フェンス直撃の適時三塁打と敵失で同点とすると、九回2死二塁から佐藤が左越えサヨナラ2点本塁打を放った。最も苦しんだ試合となったが、最後はしっかり勝ち切った。
今春の選抜大会は、市和歌山にサヨナラ負けを喫した。その悔しさを再び全国の舞台で晴らそうと、投打ともにレベルアップして臨んだ今大会は、まさに〝王者〟の戦いぶりだった。甲子園では、「明秀らしい美しい野球を見せる」と金沢成奉監督(55)。昨秋から県内負けなしの強さは本物だった。
■明秀日立優勝への歩み
▽2回戦(13日・日立市民)
江戸崎総合 00000│0
明秀日立 0424×│10
(5回コールド)
(江)木村-吉田
(明)石川、猪俣-伊藤
▽本塁打 柴、猪俣(明)
▽三塁打 佐藤(明)
▽二塁打 佐藤、猪俣、本坊(明)
▽3回戦(17日・ひたちなか市民)
明秀日立 42050│11
古河一 00010│1
(5回コールド)
(明)高橋、岡部-伊藤
(古)青木、諏訪-斎藤、平川
▽本塁打 武田(明)
▽三塁打 高橋(明)
▽二塁打 佐藤、伊藤、辻(明)
▽4回戦(20日・ひたちなか市民)
明秀日立 1630012│13
鹿島学園 0003010│4
(7回コールド)
(明)猪俣、石川、猪俣-伊藤
(鹿)小池一、野口、大川、中根-高久
▽本塁打 伊藤(明)高久(鹿)
▽三塁打 平野、石川(明)船田(鹿)
▽二塁打 武田、石川、伊藤(明)
▽準々決勝(22日・ノーブルホーム水戸)
明秀日立 120130020│9
竜ケ崎一 010003011│6
(明)猪俣、石川、猪俣、石川-伊藤
(竜)向井、坂本-加藤
▽本塁打 石川(明)
▽三塁打 佐藤(明)
▽二塁打 平野(明)佐藤、原(竜)
▽準決勝(24日・ノーブルホーム水戸)
境 0001000│1
明秀日立 2011202x│8
(7回コールド)
(境)中村、横瀬、金枝、高橋-塚田
(明)高橋、石川-伊藤
▽二塁打 佐藤、猪俣(明)
▽決勝(27日・ノーブルホーム水戸)
土浦日大 020000000│2
明秀日立 000020002x│4
(土)河野、山田-塚原
(明)猪俣、石川、猪俣、石川-伊藤
▽本塁打 佐藤(明)
▽三塁打 本坊(明)