ウクライナ避難子育て家族と対話 茨城県国際交流協 授乳服寄贈きっかけ

授乳服を受け取ったウクライナの避難家族と対話する根本博文理事長(中央)と光畑由佳代表(左)=水戸市千波町
授乳服を受け取ったウクライナの避難家族と対話する根本博文理事長(中央)と光畑由佳代表(左)=水戸市千波町
茨城県国際交流協会(根本博文理事長)は29日、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館分館で、国内に避難しているウクライナの家族とのオンライン対話を行った。同協会が、乳幼児がいる避難家族に授乳服を贈ったことから対話が実現した。授乳服などを受け取った2家族から日本での暮らしの様子や、困り事などについて聞いた。

対話には、鹿児島、神奈川両県にそれぞれ避難する家族が参加。根本理事長と、同協会を通じて授乳服を贈ったモーハウス(つくば市)の光畑由佳代表は、授乳服の着心地や日本での暮らしを確認した。母親らは「心地良く使いやすい」「子育てしながらの日本語の勉強は大変」などと笑顔で答えていた。

マリウポリ市から避難し日本で出産したというラーナさんは、生後3カ月の子どもを抱きながら「日本ではおむつもベビーフードも手に入り、医療もしっかりしている。ただ将来の見通しが立たず不安」と、切実な思いを語った。

避難家族と同協会の仲介役を務めた在日ウクライナ人のピスクノーワ・オクサーナさんによると、2千人近くが日本に避難。多くは夫を故郷に残し渡航した女性や子どもという。オクサーナさんは「ママ友といった日本で子育てを助言してくれる人が必要」と訴えた。

対話の後、根本理事長は「ニーズはあると確信していたが、実際に喜んでもらえてうれしい」と手応え。光畑代表は「授乳服によって出かける機会が増えれば、周りの人も支援しやすくなるはず」と話した。

モーハウスが同協会に寄贈したのは授乳服と授乳用の下着20組。同協会は交流サイト(SNS)などを通じて全国から希望者を募り、まずは5組を贈った。今後も無償提供を続ける方針。

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