茨城県最低賃金32円増 審議会答申 上げ幅最高、時給911円

茨城労働局(資料写真)
茨城労働局(資料写真)
茨城地方最低賃金審議会(会長・清山玲茨城大教授)は5日、本年度の茨城県最低賃金について、時給を前年度比で32円引き上げ、911円とするよう茨城労働局の下角圭司局長に答申した。1日に中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)小委員会が示した目安に1円上乗せした。引き上げ幅は同3・64%増で過去最高となった。

異議申し出の受付期間などを経て、10月1日から適用される見込み。

同労働局によると、引き上げは19年連続の見込み。引き上げ幅は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2円にとどまった2020年を除いて10年連続で拡大した。

茨城地方最低賃金審議会の専門部会は8月1、4、5日の3日間開催。専門部会は使用者側、労働者側、公益委員の計9人で構成。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格や物価高の家計、企業経営への影響などが焦点となった。

部会では労使側双方が主張する金額の差が埋まらなかった。公益委員が32円の見解を提示。公益委員の部会長を除いて採決し、労働者側と公益委員の5人が賛成、使用者側の3人が反対し、引き上げ額が決まった。答申には価格高騰の影響を受ける中小企業への支援制度の改善や制度の利活用促進などの国への要望を盛り込んだ。

報告を受けた同審議会も清山会長を除いた採決で、賛成8人、反対5人で結審した。

■「前進」「厳しい」 労使側委員

茨城県の最低賃金を審議した委員の労使側からは会合後、「一歩前進」「厳しい」といった声が聞かれた。

連合茨城の大森玄則副事務局長は、中央審議会が示した額から1円上乗せした結果に「まずは千円を超えることを目標にしてきた。満足のいく額には届いていないものの、一定の成果は出た」と語った。

一方、県経営者協会の沢畑英史事務局長は「企業の経営環境は厳しさを増している」と指摘。一定の引き上げには理解を示しつつ「価格転嫁せざるを得ない段階に来た」「行政の支援がなければ厳しい」と訴えた。

■「十分ではない」 知事

大井川和彦知事は「近隣の県との格差是正には至らず、十分な引き上げ額とは言えない」として、「今後も引き続き最低賃金の引き上げについて、関係機関に働きかけを行っていく」とコメントを発表した。

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース