新型コロナ 茨城県内で医療危機が深刻化 「7波」救急、入院も制限

人手不足が続く院内で看護師のシフトを調整するスタッフら=水戸市三の丸の水戸赤十字病院
人手不足が続く院内で看護師のシフトを調整するスタッフら=水戸市三の丸の水戸赤十字病院
新型コロナウイルスの流行「第7波」による新規感染者数が過去最多ペースで続き、茨城県内の医療機関では救急搬送患者の受け入れや入院を制限せざるを得ない事態に追い込まれている。職員の感染やコロナ病床の拡充で人手や資源が不足。コロナ以外の通常診療も圧迫され、地域での医療提供の厳しさが深刻さを増している。

■受け入れ困難に
「できれば使いたくない言葉だが『医療崩壊』は、もう始まっている」。水戸赤十字病院(水戸市三の丸)の佐藤宏喜院長は、感染者の急増で置かれた現場の状況に強い危機感を示す。

院内では7月下旬以降、かかりつけ患者を除き救急外来の受け入れを止めた。急性期に対応する4病棟のうち、半分の2病棟で新たな患者の受け入れが困難となったためだ。

理由は、看護師など職員の感染拡大。1日当たりの新規感染者数が県内で初めて2千人を超えた7月22日以降、病院内では入院患者を含め、今月3日までに計42人の新規感染を確認した。

家族の感染で濃厚接触者となったため出勤できない職員も少なくないため、人手不足は深刻な状況にある。残った職員でシフト調整を続けながら乗り切るものの、「新規の入院は制限せざるを得ない」

■地域医療に影響
感染患者をすぐに受け入れることができる県内の「即応病床」は現在、最大の800床まで引き上げられた。同病院も上限の85床へ引き上げ、「コロナ患者はしっかり受け入れる」体制を維持している。3日時点のコロナ病床使用数は31床で、このうち22床は中等症の患者が占める。

コロナ病床が増える一方、通常医療の縮小は避けられない。同病院では一般外来の受け入れについても、かかりつけ患者を優先せざるを得ない事態に陥っている。「先に延ばせる手術は、延期をお願いしている」。入院や手術は、症状の程度に応じて優先度を判断するトリアージを行う。

「スタッフも非常に厳しい中で頑張っているが、それ以上に地域住民が受けたい医療行為を受けられない事態となっていることが苦しい」。通常医療の圧迫に、佐藤院長は厳しい表情を見せる。

■自宅静養を訴え
こうした事態を背景に、県は不要不急の救急要請を控えるよう、呼びかけを始めた。発熱外来も含め医療が逼迫(ひっぱく)していることから、65歳以上の高齢者や基礎疾患を抱える人、症状が4日以上続く人などを除き、特に重症化リスクの低い人は自宅で静養するよう求めている。

救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送困難事例」も増えている。水戸市消防局によると、6月27日~7月31日の直近5週間で164件で、前年同期に比べ3倍増と危機的な状況にある。

県医師会によると、重点医療機関12病院のうち8病院で、医療従事者計291人が本人や家族の感染に伴い出勤できない状況にある。鈴木邦彦会長は「3・3%に当たる職員が休まざるを得ず、医療提供体制を取り巻く環境は極めて厳しい」として、基本的な感染対策の継続を訴えた。

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