ウクライナ避難民学生2人が入学 茨城・日立の日本語学校 習得へ懸命、未来目指す

日立さくら日本語学校の職員と、笑顔で学習に励むアナスタシア・モトルナさん(左)とナタリア・バベンコさん=日立市鹿島町
日立さくら日本語学校の職員と、笑顔で学習に励むアナスタシア・モトルナさん(左)とナタリア・バベンコさん=日立市鹿島町
■後続者の手助けも期待
ウクライナから7月下旬に来日した避難民学生の女性2人が、茨城県日立市鹿島町の日立さくら日本語学校に入学し、日本語学習に励んでいる。全国の日本語学校で構成する「ウクライナ学生支援会」(JSUS)による支援の枠組みで来日。各校は生活面を含め学生たちをサポートするとともに、後続の避難民を手助けする存在になってくれることを期待する。

■建物破壊を目撃
2人はアナスタシア・モトルナさん(20)、ナタリア・バベンコさん(26)。いずれも首都キーウ(キエフ)出身だ。来日前、モトルナさんは大学生の傍ら子どもに日本語を教えるなどの仕事を、バベンコさんはダイビングインストラクターやホテルの受付をしていたという。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2人はそれぞれ家族とともに他国への避難を強いられた。

モトルナさんは「国を出るのは女性と子どもだけ。男性がいないから、みんな生活は大変だったと思う」と振り返る。住んでいたマンションの隣にあるアパートが爆撃で破壊されるなど、惨状も目にした。

■休み返上で
JSUSは、清風情報工科学院(大阪市)が代表校となり、全国50以上の有志校が集まる。県内では「日立さくら」のみが参加する。各校は避難民学生が在籍中の学費を最長2年間免除。他国の学生と同様に、生活面のサポートや行政手続き、アルバイトの仲介などを行う。

3~4月にかけて来日したい学生をホームページなどで募集し、選考を通して受け入れる学生を決めた。ロシアによる侵攻が長期化する中、JSUSは日本語能力にたけたメンター(助言者)として学生を育成し、今後も増加する可能性がある避難民の後続支援につなげたい考えだ。

2人は来日後、日立市が提供した市営住宅にルームシェアで入居。同校職員のサポートを受け、ごみ出しなど生活上のルールを覚え、銀行口座を開設して生活基盤を整えた。22日の授業再開までに少しでも在校生たちに追い付こうと、2人は夏休み返上で日本語の読み書きを学習した。

■日本語の先生に
バベンコさんは2年前に日本への留学を決めていたが、新型コロナウイルスの影響や父親の死去でかなわなかった。それでも文化や歴史が好きな日本に来たいと応募。将来はまだ見通せないものの、日本語能力試験を受けられるまで力を伸ばしたいという。

モトルナさんは日本の文化や自然を気に入る。将来は「ウクライナに戻って日本語の先生になりたい」と話す。

松浦みゆき校長によると、他の有志校に入学した学生の中には精神が安定せず、ロシアによる侵攻の話をすると泣き出す人もいる。2人のことも心配していたが、今のところ落ち着いた生活を送っているという。

松浦校長は「能力は高い。しっかり教育し、日本で自活できるまでの支援を考えている」とした上で、「戦争は不幸なことだが、彼女たちの将来が明るいものになるようサポートしていきたい」と見通しを語る。

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