無人販売、万引に苦悩 茨城で逮捕事件も コスト考慮し対策

茨城県内で食品の無人販売が広がる中、万引被害に業者が頭を悩ませている。窃盗容疑で男が逮捕される事件も発生。業者側は防犯カメラの設置をはじめ、警告ポスターの掲示、店内をガラス張りにするといった工夫をして、費用と利益をてんびんにかけながら対策を講じている。
■現金入れるふり
水戸市河和田2丁目の道路沿いに、鮮やかな黄色の塗装と卵のロゴが目を引く小さな販売所がある。ひたち農園(常陸大宮市)がトランクルームを改造して出店した卵の無人販売所「たまgo市場」だ。
24時間営業で、店には数パックの卵が入った段ボールが棚に並ぶ。客は棚から商品を選び、さい銭箱形の料金箱に現金を入れる。入り口そばには1パックずつ購入できる自動販売機もある。
同社によると、これまでに数回、商品を盗まれる被害があった。昨年10月の未明、マスクにフード姿の人物が卵と米を持ち去る様子が防犯カメラに写っていた。犯人は服の袖でドアを開けており、担当者は「指紋を残さないためだったのではないか」と話す。料金箱には現金を入れるふりだけしていた。「悪質な犯行」として、同社は水戸署に被害届を出したという。
別の店舗では、手に取った商品の金額の半分程度しか支払わないケースが連続して起きたこともあった。
対策として同社は、防犯カメラの設置だけでなく、被害事例を具体的に記したポスターを掲示し、万引の抑止に努めている。
■ガラス張り店舗
ラーメンなどの外食チェーン「雪村」(土浦市)は、2020年末の初出店以降、県内を中心にギョーザの無人直売所を31店展開する。店をガラス張りにして万引防止にもつなげる。キャッシュレス決済を導入し、利便性向上とともに券売機(料金箱)の現金を狙った犯罪抑止を狙う。
それでも万引被害は起きている。防犯カメラの映像には、金を払うそぶりも見せず、10パック程度を持ち去る人の姿が写っていたという。
県内では無人販売所を巡り万引の容疑者が逮捕された例もある。水戸市内の無人販売所で今年4月、ギョーザなど4パック(計4千円)を盗んだ容疑で同市の男(50)が水戸署に現行犯逮捕された。同署によると、店から被害相談があり、署員が付近で警戒していた。男は容疑を認め、同署は同様の犯行を繰り返していたことを確認した。
■コロナ禍で注目
無人販売所が増えているのは、人件費の削減に加え、コロナ禍で非接触型の業態が注目されていることが挙げられる。
ひたち農園の営業統括を務める高橋正樹さん(53)によると、ほとんど光熱費のみのコストで営業でき、非接触で販売可能なことがメリットという。
県警によると、無人販売所の万引被害などに増加傾向は見られないという。捜査関係者は「深夜の無人販売店付近のパトロールを強化している。実際に不審な人や車を発見した際は職務質問し、犯罪抑止に努めている」と話した。
■現金入れるふり
水戸市河和田2丁目の道路沿いに、鮮やかな黄色の塗装と卵のロゴが目を引く小さな販売所がある。ひたち農園(常陸大宮市)がトランクルームを改造して出店した卵の無人販売所「たまgo市場」だ。
24時間営業で、店には数パックの卵が入った段ボールが棚に並ぶ。客は棚から商品を選び、さい銭箱形の料金箱に現金を入れる。入り口そばには1パックずつ購入できる自動販売機もある。
同社によると、これまでに数回、商品を盗まれる被害があった。昨年10月の未明、マスクにフード姿の人物が卵と米を持ち去る様子が防犯カメラに写っていた。犯人は服の袖でドアを開けており、担当者は「指紋を残さないためだったのではないか」と話す。料金箱には現金を入れるふりだけしていた。「悪質な犯行」として、同社は水戸署に被害届を出したという。
別の店舗では、手に取った商品の金額の半分程度しか支払わないケースが連続して起きたこともあった。
対策として同社は、防犯カメラの設置だけでなく、被害事例を具体的に記したポスターを掲示し、万引の抑止に努めている。
■ガラス張り店舗
ラーメンなどの外食チェーン「雪村」(土浦市)は、2020年末の初出店以降、県内を中心にギョーザの無人直売所を31店展開する。店をガラス張りにして万引防止にもつなげる。キャッシュレス決済を導入し、利便性向上とともに券売機(料金箱)の現金を狙った犯罪抑止を狙う。
それでも万引被害は起きている。防犯カメラの映像には、金を払うそぶりも見せず、10パック程度を持ち去る人の姿が写っていたという。
県内では無人販売所を巡り万引の容疑者が逮捕された例もある。水戸市内の無人販売所で今年4月、ギョーザなど4パック(計4千円)を盗んだ容疑で同市の男(50)が水戸署に現行犯逮捕された。同署によると、店から被害相談があり、署員が付近で警戒していた。男は容疑を認め、同署は同様の犯行を繰り返していたことを確認した。
■コロナ禍で注目
無人販売所が増えているのは、人件費の削減に加え、コロナ禍で非接触型の業態が注目されていることが挙げられる。
ひたち農園の営業統括を務める高橋正樹さん(53)によると、ほとんど光熱費のみのコストで営業でき、非接触で販売可能なことがメリットという。
県警によると、無人販売所の万引被害などに増加傾向は見られないという。捜査関係者は「深夜の無人販売店付近のパトロールを強化している。実際に不審な人や車を発見した際は職務質問し、犯罪抑止に努めている」と話した。