TX延伸、進む調査 茨城県4方面案 災害時輸送も比較

つくばエクスプレス延伸案
つくばエクスプレス延伸案
県内延伸構想で調査が進むつくばエクスプレス=つくば市内
県内延伸構想で調査が進むつくばエクスプレス=つくば市内
■第三者委、議論へ
つくばエクスプレス(TX)の茨城県内延伸4方面案の絞り込みへ調査が進んでいる。県は当初予定した需要予測や概算事業費、収支予測に加え、災害時などのJR常磐線の代替輸送機能も比較対象とした。調査結果などを基に今後、第三者委員会で議論する。4方面の地元では誘致の動きが活発化。来春の絞り込みへ熱い視線が注がれる。

県は国の研究機関「運輸総合研究所」と協力し、延伸方面案の調査を5月に始めた。関係者の意見を踏まえ、県交通政策課は「数字だけの比較にとどめない」として、「災害に強い交通ネットワークづくり」の観点での比較も重要な調査事項とした。具体的には、大動脈である常磐線など近隣の路線が災害などで運行に支障が出る事態なども想定して検討する。

TXの県内延伸構想は、県が本年度当初予算に調査検討事業費用として1800万円を初めて計上したことで動き出した。県総合計画で茨城県の将来像を表した「2050年ごろの茨城の姿」の中で、既に県内のTX延伸ルートの構想として示されていた、①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案から、来年春に一つに絞り込む予定だ。

調査が進む一方、関係する地元では誘致を目指す動きが活発化している。

誘致団体は現在四つ。茨城空港への延伸を目指し、関係7市議会でつくる「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」は先行して18年5月に発足した。今春、県が構想を打ち出すと、結成が相次ぎ、4月には土浦市を中心に「TX土浦延伸を実現する会」、5月には石岡市経由で茨城空港までを目指す「TX石岡延伸推進協議会」、さらに茨城空港経由で水戸市までを掲げる「TX水戸・茨城空港延伸促進協議会」ができた。「筑波山方面案」の誘致団体は設立には至っていない。

今後は、県が11月ごろまで調査。調査結果などを基に第三者委が12月から議論し、1方面案を絞り込む。パブリックコメント(意見公募)を経て、県に同案を提出。3月中に県が決定する。第三者委のメンバーは学識者や経済界、県議会、市町村、鉄道事業者などで今後構成される。

県が1方面案に絞り込んだ後は、茨城県とともにTXの出資団体である千葉、埼玉、東京の3都県や鉄道事業者との調整を進める。

ただ、方面案を絞り込んでも、延伸の実現には、莫大(ばくだい)な事業費や関係地域の合意形成など極めて高いハードルがある。

大井川和彦知事は6月の定例記者会見で「1路線に方針を決めても、実はそこがスタートラインにやっと立てたという程度の話であり、そこから先、さまざま超えなければいけない壁が非常に高い」と述べた。

同月の県議会で、県の担当者は「国の交通政策審議会の答申に位置付けられなければ実現はない。事業費のほか、目的や効果など総合的にふさわしい中身が必要」と答弁し、県内延伸案の絞り込みは、将来に向けたスタートラインとの考えを強調した。

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