茨城・八千代の菊さん 猟犬愛し、育成50年 全国優勝、2度の快挙

全国大会で優勝したクリサンセマム・ハナグロ号と菊保雄さん=八千代町粕礼
全国大会で優勝したクリサンセマム・ハナグロ号と菊保雄さん=八千代町粕礼
■「体力続く限り続ける」
猟犬の育成に力を注ぎ、2度の全国優勝を果たした人がいる。茨城県八千代町粕礼の菊保雄さん(73)だ。育成歴50年を誇り、日々愛犬に寄り添い〝人犬一体〟を体現する。訓練や競技会への遠征は大変だが「犬が好き。気持ちは若く、体力が続く限り続けたい」と意気盛んだ。

菊さんは今年3月、山梨・静岡両県で行われた第81回全日本猟野競技会決勝大会(全日本狩猟倶楽部主催)の若犬部門で、イングリッシュ・セッターのクリサンセマム・ハナグロ号(雌、当時1・9歳)とともに全国の頂点に立った。第70回大会(若犬部門)以来、2度目の優勝だった。本人も「2回目はないと思っていた」と驚く快挙。優勝カップと一緒に孫とひ孫を写した写真を眺めて「うれしい」とほほ笑んだ。

大会は調教者の「ハンドラー」と猟犬が1チームとなり、雑木林や雑草地などで相手チームと競い合う。スタートの合図で猟犬が放たれ、指定された時間内で茂みなどに潜むキジを探す。嗅覚を生かした探索、スピード、獲物を見つけた後に停止する姿勢、ハンドラーへの忠誠などが総合的に審査される。

若犬部門には62頭が出場し、2日間の予選で20頭に絞られた。菊さんとハナグロ号は決勝でも安定した探索や動きを発揮し、審査の結果、1位に選ばれた。

菊さんは猟友会での活動を機に、23歳ごろ猟犬育成の道へ進んだ。犬は幼少時から身近な存在で、育成を始める前は大型犬のドーベルマンやグレートデーンを飼っていたという。現在、競技会で活躍する中型のハナグロ号と同時に生まれたチビクロ号(雌)、その親犬の4頭を育てる。チビクロ号も第81回大会出場の実力を持つ。

猟犬の育成は気苦労が多い。食事は1日1食だが、栄養バランスを考えてドッグフードや肉、野菜を取らせる。早朝訓練に向け午後8~9時には就寝。特に夏場は午前3時前に起床、犬舎を掃除し出発。約1時間訓練して帰宅する。これを毎日繰り返す。体力が必要な作業だ。

妻の美津江さん(73)は「最初に優勝した時、本当はやめるつもりだった。それが余計に熱くなって続けている」と笑う。

ハナグロ号は嗅覚が鋭く、チビクロ号は走りに優れ忠実だという。菊さんは「何を考えているのかよく見て、理解し、いい時は褒めてあげる。年中犬に触れて愛情を注ぐ。(同時に)勝つという信念が必要」とこつを語る。愛犬中心の生活も「気持ちは若いつもり。体力が続く限り続けたい」と話している。

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース