はやぶさ2採取のりゅうぐうの砂に液体の水 地球の海の起源か

りゅうぐうから回収した3番目に大きなサンプル。最大長8.6ミリ、重さ94ミリグラム=©東北大学(光学顕微鏡写真)
りゅうぐうから回収した3番目に大きなサンプル。最大長8.6ミリ、重さ94ミリグラム=©東北大学(光学顕微鏡写真)
りゅうぐうサンプルから分離された六角形の鉄硫化物の結晶。写真中ほど左の空孔に液体の水が入っていた=©NASA/JSC、東北大学(電子顕微鏡写真)
りゅうぐうサンプルから分離された六角形の鉄硫化物の結晶。写真中ほど左の空孔に液体の水が入っていた=©NASA/JSC、東北大学(電子顕微鏡写真)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、探査機はやぶさ2が採取した小惑星りゅうぐうの砂試料から水を検出したと、23日付の科学誌サイエンスで発表する。地球外で採取したサンプルから液体の水を発見したのは世界で初めて。隕石(いんせき)などに含まれる水が地球の海の起源になったとも考えられており、その可能性を高める発見となった。

東北大理学研究科の中村智樹教授ら国内外の研究者約150人のチームが、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)や大強度陽子加速器施設「J-PARC」(茨城県東海村)で分析を進めていた。

中村教授によると、水は炭酸水で、鉄と硫黄の化合物の結晶に閉じ込められた格好で存在し、塩や有機物を含んでいた。

これまで、地球上に落下した隕石から液体の水は発見されていたが、宇宙から持ち帰った試料からの発見は今回が初めて。解析に当たっては、地球の大気に触れないように進めてきた。チームは炭酸水と地球の水を比較、分析する。

砂の表面には、テーブルサンゴに似た形をした銅と硫黄の化合物が層状に積み重なった結晶もあった。豊富な水がなければ形成されない構造とみられ、チームは、りゅうぐう内部に地球の海に似た環境が存在したのではないかとみている。

さらに、17個の砂粒(最大8ミリ)の硬さや密度を測定し、りゅうぐうの成り立ちをコンピューターによるシミュレーションで推定した。

推定によると、太陽系ができて約200万年後、氷を含む直径約100キロの元の天体(母天体)が誕生。内部の温度は最高約50度で水による化学反応も進んだが、その後に直径10キロ程度の小惑星が衝突。壊れた母天体から生じた多くの岩石のいくつかが再結集し、りゅうぐうになった。

母天体には多量の水があったが、りゅうぐうができる途中で次第に抜けていったという。

中村教授は「液体の水は結晶に取り込まれたほんの1滴だが、とても大きな意味がある」と指摘。「地球の海、有機物の起源に直接関わる証拠を発見できたということ」と成果を示した。

りゅうぐうの試料に関する分析は、石の物質を調べる同チームを含め、6チームが2021年6月から進めている。「生命の源」とされるアミノ酸も含まれていることなども判明している。

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