茨城県条例 「特定犬」飼育に注意 屋外、おり義務付け

おりの前に立つ鈴木博房さんとシェパードのバロン=東海村内
おりの前に立つ鈴木博房さんとシェパードのバロン=東海村内
犬によるかみつき事故を未然に防止するため、茨城県は人に危害を加える恐れのある特定の犬種や一定以上の大きさの犬を「特定犬」と条例で定め、屋外ではおりの中で飼うよう義務付けている。対象となる8犬種は秋田犬やシェパードが含まれ、大きさはゴールデンレトリバーなどの人気犬種で該当する可能性がある。稲敷市では先月、特定犬の一種が一時脱走する騒ぎが起きており、県は「ルールを守って飼育を」と改めて注意喚起している。

■しつけ重要
東海村の警察犬指導士、鈴木博房さん(72)は、これまでにシェパード計13頭を飼育した経験を持つ。自宅の庭には頑丈なおりと運動スペースがあり、脱走防止のため周りは3重の柵で覆っている。

鈴木さんは「大型犬はこれくらい対策を講じないと逃げてしまう」と話す。

2011年の東日本大震災の際は、室内から逃げたシェパードの捜索を依頼され、協力したこともあったという。「大型犬を飼うなら、きちんとしつけることが大前提。どんな時でも名前を呼んだら戻ってくるようにしないと飼えない」と、しつけの重要性を強調する。

■4自治体のみ
県内で特定犬の制度が始まったのは、県動物愛護条例が施行された1979年。県生活衛生課によると、前年に県内で女児が大型犬にかみ殺される事故が2件発生し、制度化のきっかけとなった。

2019年には、水戸市も特定犬制度を含む動物愛護条例を施行。特定犬制度を設けているのは全国で4自治体と少なく、茨城県以外では札幌市と佐賀県のみという。

県条例は、特定犬として8種を規定する。さらに、体高60センチ以上、体長70センチ以上なら雑種も含めて対象となる。特定犬は、飼い主の義務として住居での標識の掲示がある。屋外で飼う場合は、上下を含め全体を囲んだ十分な強度のおりの中で飼うことも定める。

■違反は罰則も
県条例は、屋外飼育でおりに入れなかった違反には30万円以下の罰金が科される。水戸市の条例は屋外の場合におりを必須としないが、犬の性質や大きさに応じた飼育を求めている。

県内では9月24日、稲敷市で、リードにつながれていた体長約60センチ、体重35キロの特定犬「アメリカンピットブルテリア」が逃走し、県警が付近住民らに注意を呼びかけた。

県と水戸市によると、今年6月時点で特定犬として登録されているのは2176頭。8犬種以外で大きさを満たす犬に関しては飼い主の自己申告に頼っており、実数はより多い可能性があるという。

鈴木さんは、犬が起こした事故は飼い主に責任が生じるとした上で、「自衛のためにも大型犬種の飼い主は自ら(体長を)計ってみてはどうか」と勧める。

■県が条例で定める「特定犬」
・秋田犬
・紀州犬
・土佐犬
・ジャーマンシェパード
・ドーベルマン
・グレートデーン
・セントバーナード
・アメリカンスタッフォードシャーテリア
(アメリカンピットブルテリア)

※8犬種以外でも、体高60センチ以上、体長70センチ以上の場合(雑種含む)

最近の記事

ニュース一覧へ

全国・世界のニュース