水戸の街、低速「トコトコ」 裏通り、電気自動車実証実験 8日から

水戸市の中心市街地で低速で巡回運行する電気自動車「トコトコ」のイメージ(水戸まちなかリビング作戦実行委員会提供)
水戸市の中心市街地で低速で巡回運行する電気自動車「トコトコ」のイメージ(水戸まちなかリビング作戦実行委員会提供)
水戸市南町のビル内空間を活用した居場所づくりのイメージ(水戸まちなかリビング作戦実行委員会提供)
水戸市南町のビル内空間を活用した居場所づくりのイメージ(水戸まちなかリビング作戦実行委員会提供)


■1時間3本巡回
時速20キロ未満の低速で巡回運行する電気自動車「グリーンスローモビリティ」の実証実験が8日から、水戸市の中心市街地で行われる。水戸のまちなか大通り等魅力検討協議会が、居心地よく歩きたくなる街を目指して行う社会実験「水戸まちなかリビング作戦2022」(9~30日)の一環。自家用車に代わる新しい移動手段として需要があるのか、受け入れられるのか、検証する。

電気自動車は7人乗り。愛称は一般公募で選ばれた「TOCO-TOCO(トコトコ)」。運行ルートは南町2、3丁目から泉町1、2丁目の国道50号の裏通りで、水戸協同病院や水戸芸術館など12の停留所を設ける。11月6日まで1時間に3本を目安に運行する。利用無料。運行時間は午前10時半~午後4時半(正午~午後1時除く)。6日午後に試乗会を行う。

同協議会は2020年に設立。昨年10月にも南町2、3丁目で社会実験を行った。今年3月に「挑戦心を育む、コンパクトなまちなか暮らしを取り戻す」がコンセプトの未来ビジョンを作り、ソフト、ハード両面から実現を目指している。

今回の社会実験でも、歩行者にとって快適な居場所をつくるほか、まちなか活用の企画を募ったり、利用状況などを調べたりする。まちなかで「新しい日常」を体験してもらい、見過ごされた魅力や課題に気付くきっかけをつくる。

居場所づくりは南町2、3丁目の国道50号の南側と裏通りにあるビルや空き地、広場など民地空間を活用、日常使いしたくなる空間をつくる。ビルの駐車スペースや屋上などを開放し、人工芝や植栽、テーブルセット、公衆無線LAN「Wi-Fi」を設置。沿道店舗に実験を知らせるタペストリーを、歩道上に旗を掲げるなどして、歩行者を呼び込む工夫を施す。

「まちなかチャレンジ」は、期間中に挑戦してみたい企画を募り、会場の提供や備品の貸し出し、管理者との調整といった形で支援。昨年は学生によるカフェ出店や子どもの遊び場づくり、新商品のテストマーケティング、電動車いす試乗体験会などを展開した。今回の実施状況はホームページで随時公開していく。

利用状況の調査では、定点観測した動画を人工知能(AI)の画像解析などにより車両の速度や通行量、歩行者の通行量や滞在状況を調べる。実験会場の利用者にウェブアンケートなどで感想や各会場の快適さなどを聞く。まちなかに住む人や通勤・通学者にもウェブアンケートを実施する。

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