水戸の農業法人、パプリカの生産力増強 オランダ式温室を新設

新設された温室ハウスを見学するオランダ大使館のデニーズ・ルッツ農務参事官(手前右)ら=水戸市小吹町
新設された温室ハウスを見学するオランダ大使館のデニーズ・ルッツ農務参事官(手前右)ら=水戸市小吹町
水戸市小吹町でパプリカの生産、販売を手がける農業法人「Tedy(テディ)」が22日、同所に新設したオランダ式の温室の竣工(しゅんこう)式を開いた。オランダ大使館やJAの関係者など約40人が完成を祝った。高度な環境制御システムを持つ新施設の完成で、生産量は従来の250トンの倍となる500トンを見込んでいる。

新設した温室は約2万平方メートル(うち2500平方メートルは選果作業棟)。農業先進国オランダの最新鋭設備を導入した。特徴は、高度な環境制御システムとガラスハウスを採用している点。

環境制御に関しては、従来は夜間の気温設定やかん水のタイミングなど一部で人的な制御が必要だったが、新システムでは環境要因をセンサーが検知し、生育状況に合った調節を自動的を行う。農業用ハウスは、日本ではビニールなど使うのが一般的だが、ガラスハウスは採光性が高く太陽光の透過率が良いため、十分な日照量を得られ、多く収穫できるようになる。

オランダ式温室の新設理由について同社は、パプリカは輸入割合が高く、国産品の普及を図るために生産力を強化したという。

竣工式で同社の林俊秀社長は「完成した温室をいっぱい使い込んでいきたい」と喜びを語った。同大使館のデニーズ・ルッツ農務参事官は「(農業に)最終的に必要なのは林さんのような顧客のために新しいことに挑戦し、その成果に誇りを持つ生産者だ」と背中を押した。

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