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加倉井砂山像を移設 水戸 日新塾跡地にシンボル

「加倉井砂山先生之像」移設式であいさつする日新塾精神顕揚会の川崎善保理事長(右)=水戸市成沢町
「加倉井砂山先生之像」移設式であいさつする日新塾精神顕揚会の川崎善保理事長(右)=水戸市成沢町


水戸市成沢町の日新塾跡に加倉井砂山(1805~1855年)の銅像が移されることになり、現地で3日、移設式が開かれた。砂山の功績を伝える「日新塾精神顕揚会」(東京)の要望を受け、市が高さ約1.7メートルの立像を市森林公園から移した。式典には近隣住民ら約50人が出席し、跡地の新たなシンボルを喜んだ。

日新塾は江戸時代後期に水戸藩郷士、砂山が父から受け継ぎ自宅に開いた私塾。母屋のほか、塾舎や寄宿舎の建物が複数あり、農村の私塾としては北関東最大とされる。当時として珍しい個性尊重教育により、桜田門外の変に参加した斎藤監物や川崎財閥の基礎を築いた川崎八右衛門らを輩出。約30年間で千人を超える門弟が学んだ。

式で顕揚会の川崎善保理事長(78)は「長年の念願が実現に至った。きょうは砂山先生の誕生日で感慨深い」と喜び、地元の協力に感謝しながら「立派な教育があったことをもっと広められれば」とあいさつ。日新塾跡整備委員会の小田木正樹さん(83)は「私たち地元民が(跡地の整備に)微力ながら尽くしていきたい」と語った。

日新塾跡には建物は残っていないが、市が史跡に指定し、2015年には弘道館とともに「近世日本の教育遺産群」として日本遺産の認定を受けた。銅像は1988年に安蔵桜水氏の寄付で同公園に建立された。

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